印刷 高速道路 1000円 機械仕掛けの林檎 小話12 忍者ブログ
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 これまでのまとめと加筆と新作。

 小話12

〇ギイさんは外見も中身もハンサムなのに幸薄い。
フウ「ギイ君、メイド人形の関節をもっとなめらかに動かしたいんだが、この設計図たちの中ではどれがいいかなあ」
ギイ「どれもこれも可動域が広すぎるよ。すこし機能を落とす事で人間に近づくと思うよ」

ジョージ「……どうだった?今のラフマニノフ。ピアノ協奏曲第3番ニ短調(ピアノで一番難しい曲の一つ)」
ギイ「いいんじゃない?でも僕は、君が子どもたちのために編曲した曲を聴いてみたいな」

鳴海「あのよ……デートって、ど、どんなトコ行けばいいんだ?」
ギイ「エレオノールの興味を引きそうな場所から選ぶんだね。ま、どこでも嬉しいとあの子は言うだろうがな」

平馬「……女って、何貰ったら嬉しいのかね」
ギイ「そうえいえば、涼子嬢の誕生日が近かったなあ(さりげなく大声で)!僕は何を贈るかなあ。予算の範囲で相手の趣味に合わせればハズレがないからなあ」

阿紫花「ワセリン切らしちまった。何かいいの持ってやせん?」
ギイ「……専用の水性ローションなら、裏通りのラヴァーズショップで売っているだろうから行って来たまえ。医師として言うが、油性のワセリンは使い勝手がよくてもセーフティセックスの観点から推奨しないね」

勝「……ギイさんて、百年間ずっと他人の幸せばっかり考えてきた人なんだよね……。一人きりで」
ギイ「なんだ、勝。僕はそういうのが嫌いだよ」
勝「ギイさんはかっこいいし尊敬できるけど……なんでだろう、白金並みに恋愛運が無い人なのかと思うと、ギイさんがかわ」
ギイ「それ以上言うな。栄誉ある孤独というものだってこの世にあるのだからね」
 ギイさんと白金の孤独の中身は大分違うけど。



〇漢字を意識しない人
ギイ「そういえばジョージ、君は人の名前を漢字で呼ばないね。発音が分かりにくいのか?」
阿紫花「そういやそうだ。漢字分からねえんで?」
ジョージ「まさか。漢字は理解している。だが人の名前など記号でしかない。アルファベットだろうがひらがなだろうが同じ事だ。アシハナやナルミと判断出来れば何でもいい。漢字の意味を考えないからな」
ギイ「ふ~ん。だが分かってはいるんだな。(ニヤニヤ)阿紫花の名前なんてかわいいと思わないか?英語なら『A little violet flower』かな。さしずめスミレだな。愛らしいだろ?」
ジョージ「下らん」
ギイ「我々欧米の人間の名前に意味があるように、日本にだってあるものさ。阿紫花、というのは特に変わっているよ。大昔の中国に阿紫という、叶わぬ恋に身を滅ぼした美しき悪女がいたそうだ。関係あるのかどうかは分からないね」
阿紫花「ベッピンな悪女、ねえ。菊かれんげならなれっかもな。恋に身を焦がすなんてまだ早ェけど」
ギイ「(自分だとは言わないんだな……)ま、ジョージがピンと来ないのも無理は無いな。ジョージの名前だって、あるるかんの『聖ジョルジュの剣』だって、発音が違うだけで同じ聖人が由来だろう、なんて阿紫花はピンと来ないだろ」
阿紫花「へえ。あたしは横文字苦手なんでね」
ギイ「謙遜だな。君は結構言語の習得が早い方だよ」
阿紫花「そりゃ女に教わると何でも飲み込み早ェのさ。ベッドの中で教わのが一番でさ(ニヤニヤ)でも人様の名前ってな覚え憎くてかなわねえや。しろがねの嬢ちゃんの名前だってあたしゃうろ覚えですからね。どうしても覚えなきゃいけねえ、ってんなら、精々分かりやすく漢字にしちまいやすね。ギイさんやフウさんは名前短いから必要ねえけど」
ギイ「ほう。じゃあ君はジョージはなんて漢字変換しているんだ?」
阿紫花「《情事》さん」
ギイ「……そう」
阿紫花「?」
ジョージ「(首を振ってため息)」

 

〇体臭ってあるよね
阿紫花「……外国暮らしが長ェと、テメエのカラダの臭いがおかしくなりやせん?なんか、牛の脂みてえな臭いがする気がする。メシのせいですかね」
ギイ「ああ、あるある。食べ物で体臭が変わるんだよ。君のそれは料理に含まれるバターのせいだろうな。僕が百年前、はじめて日本に行った時だが、空気が大豆臭いのは何故か最初理解できなかったよ」
阿紫花「食いモンのせい、な。確かにそうかも」
ギイ「インドへ行くと、空港からしてカレーっぽい臭いがするしね。空路で行動すると、急に長い距離を飛び越えてしまうからそういう違いが明確に分かって面白いよ」
阿紫花「ふ~ん。でもギイさんもジョージさんも、カラダの臭いリンゴみてえなんですよね。普通にメシ食ってんのに」
ギイ「僕らは仕方ないよ。ただのしろがねだからね。人間とは違うから。自分の匂いが気になるなら香水でも使ったら?似合いそうなのを選んであげようか?」
阿紫花「そこまでは気にならねえや。ただちょいとね……」
 夜になって。
ジョージ「っ……」
阿紫花「苦……どうせならコレもリンゴ味とかなら飲みやすかったんですがねえ……ジョージさん、セロリ食った?(ニヨニヨ)」
ジョージ「? いや、全然」
 苦いんだってさ。ニヨニヨ。
 


〇ダ〇トを探せ。
勝「ダウンロード、実は成功してるんだ(笑顔)」
ギイ「僕は過去に男性型の銃人形を一度に複数引っ掛けた事がある」
ヴィルマ「アタシ、実は性転換して女になった男なんだよね」
エレ「ホントは、鳴海が私の初めての男じゃなかったりする」
ジョージ「大正琴が好きだったが、妥協してピアニストを目指した」
法安「実は孫の本当のおじいちゃんじゃないんじゃよ……(グスン)」
平馬「兄貴で抜いた事がある」

リーゼ「この中に真実が含まれてイマす!どれでショウ!」
阿紫花「へ、簡単でさ。可能性としちゃギイさんでしょ。一個だけマジ探せってだから楽でさ」
リーゼ「いえ、真実が6つで嘘が1つなンデス」
阿紫花「マジで!?」
 兄貴もビックリ。

阿紫花「ていうかもっとマシなウソ考えつけよジョージ!」
 大正琴なんて普通知らないだろ……。
阿紫花「ヴィルマは……あり得る」
 そうかな……(笑)。

 阿紫花の場合。
阿紫花「はぐれ黒賀全員と寝た事がある」
ギイ「本当っぽい。真実だな」
ジョージ「聞きたくない(耳をふさいでいる)」
阿紫花「一度に全員と」
ギイ「分からなくなった!どう思う!?ジョージ!」
ジョージ「聞きたくない!(ぎゃー、と悲鳴)」
 なんでもあり得そうで兄貴は怖い。笑



〇しろがねたちの災難
ファティマ「はあ……聞いてくださいよ。この間、取り逃がしてまた会った自動人形から、ターキッシュディライト(トルコのお菓子・すっごく甘い)貰ったんですけど。『食らえー、これでも食ってクニに帰れー』『里心思い出して故郷に帰ればいいんだー』って言われても……私トルコ砂漠出身じゃないんですよね……。」
ドミ「僕はザクロ投げつけられた……。ロシアだと高価いから、風邪引いた時くらいしか食べないんだけど……しろがねだから、風邪なんか引かないんだよね……」
トーア「私はナマのじゃがいも投げつけられた……。いくら私がドイツ出身でも、じゃがいも投げつけられたら痛いよ」
ティンハバティ「私は炊き立てのウリ(米飯)だった。熱かった」
ファティア「なんでしょうか、自動人形の間で食べ物で攻撃するのが流行っているのでしょうか?」
ロッケンフィールド「だが、君らはまだマシだ」
ダール「そうだぞ。俺らよりゃずっといい」
ドミ「え、お二人はどんな目にあったんです?」
ロッケンフィールド「缶詰のハギス(スコットランド料理・不味い上に見た目が本当に悪い)の中身をわざわざ出してくれてね……投げつけられたよ。学会に着ていく予定だった白のスーツが一気に下水掃除専用になった……!(悔し涙)いっそ缶のまま投げつけられていたら、どれだけ良かったか……!」
ダール「俺はシュールストレミング(フィンランドの世界一臭い缶詰・生物兵器と誤認されるほど臭い)の中身を頭から投げつけられた。フィンランド人でもねえのに(ダールはノルウェー人)な。臭いのせいで軍の偵察部隊が動きかけた」
全員「(悲惨……!!)」
トーア「ま、まあ、なんだ。無事でよかったよ」
ドミ「でもどうして、自動人形たちは食べ物で攻撃してくるんでしょう?」

コロンビーヌ「フランシーヌ様、これでよろしかったので?」
偽フランシーヌ人形「ええ……(フランシーヌ様が行ってしまった)日本という国のイベントの真似事をしてみました。気になる人にチョコや豆を投げつけると、笑顔になれるらしいので……。(本物のフランシーヌ様だったら)きっと、造物主様を見つけたら、煮えた豆など浴びせかけるでしょうね……」
コロンビーヌ「(ええ話や……!)フランシーヌ様、アタシ頑張ってしろがねたちにどろどろの熱いチョコぶっかけて来ます……!」
偽フランシーヌ「ええ。おやりなさい」
アルレッキーノ「……(……なんかイベントが混ざってる気がする……)」
ドットーレ「フランシーヌ様!パンタローネが……!」
偽フランシーヌ人形「どうしたのです」
ドットーレ「しろがねの、ルシール・ベルヌイユにパンタローネが『食べ物を粗末にするな!』と拳で殴られて修復のために戻ってまいりました!」
偽フランシーヌ人形「では止めましょう(そんなに面白くもなかったし……)」
アルレッキーノ「……(だろうな……)」
 バレンタイン節分。



〇マドンナの写真集にそういう写真があったんだよね
 陽光の差し込む中、ギイや阿紫花、ヴィルマが酔いつぶれて寝ている。ジョージは壁際で腕組んで寝てる。
テーブルに突っ伏していたヴィルマ「はっ……ヤダ、酔いつぶれるなんて。ありゃりゃ、全員つぶれたんだね。あのロボコップは違うみたいだけど」
床に転がっていた阿紫花「う~ん……」
ヴィルマ「あれま。……ちょいとイタズラしてやる」
ソファで眠っていたギイ「……ム、イタタ……この僕がワイン三本で二日酔いするとは……。何をしているんだい、マドモワゼル」
ヴィルマ「シー、うふふ(メイク道具で阿紫花の顔を化粧中)顔細いし、眉綺麗だからさ、似合うと思うんだよね。アタシ、自分と寝た男の顔化粧すんの好きなのよ」
ギイ「ああ、結構いるかもな。そういう女性は。ぷぷ、似合う似合う」
ジョージ「……(起きた)。何をしているんだ?君たち」
ヴィルマ「こういうの好き?(ニヤニヤ)結構似合うと思わない?」
ジョージ「……全然」
阿紫花「……ン(起きた)、何してんだ、アンタら。(ヴィルマの手の口紅を見て)あ~……、よくあるよくある。ふあ……(欠伸)」
ヴィルマ「? 何?」
阿紫花「寝てる……と、女とか、に、なんでか……あたしの顔イタズラ……よくされっから……グー(寝る)」
ジョージ「よくあるのか?」
ヴィルマ「なんだ、じゃあやーめた。他の女と同じ事する気はないよ。……そうだね、阿紫花起きた時にぎょっとするだろうから、アンタの顔メイクしてやろっか」
ジョージ「うわ、やめろバカ」

数十分後に起きた阿紫花「……なんで、ジョージが二丁目にいそうなガタイいいオカマみてーになってんだ?」
ジョージ「知るか。顔洗ってくるぞ。お前も顔に色ついてるぞ」
阿紫花「起きる前に落としといてくれるあいいのに。……ギイさん、あんたはなんでそんな事に?」
ヴィルマ「いや~、やればやるほど成果が出る顔なんだもん。ついやりすぎちゃった。しろがねにお姉さんいたらこんな感じだよね」
ばっちりメイクしたギイ「やるなら徹底するのがプロだからな(キリリ)」
阿紫花「何のプロ……?」
 ギイさんは綺麗。笑
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