小話４

　例によって小話です。ゆっくりしていってね！（最近ゆっくりがカワイイ）

　小話４

　阿紫花家の密かな楽しみ。帰省した阿紫花たち。
阿紫花「電話ですぜ～」
母「はいはい……はい、阿紫花です」
電話『オレオレ！オレだよ！』
母「英良！？英良かい！？」←ずっこける阿紫花。
電話『そうだよ、オレ－－』
母「十五の夜に中学の窓全部叩き割って盗んだバイクで駆け出して夜の街に消えた英良かい！？」
電話『……そ、そうだよ、その英良だよ！』
母「本当に、ミナミのクラブでトップ取った英良かい！？オカマバーのママになる話を蹴ってモロッコでニューハーフデビューを果たした英良かい！？」
電話「……！（ブツン！ツー・ツー・ツー……）」
阿紫花「（よろよろしながら）今のは何のご冗談で？……」
れんげ「オレオレ詐欺ってさあ、普通に『オレ』って言うからすぐ詐欺だって分かるのよね」
百合「英兄一人称おかしいもんね」
母「今日のヤツは演技力なかったね」
阿紫花「こ、これまでもこんな電話があったんで？」
菊「これまでに通算３１人のニューハーフと、４人のアイドルと、７人のアキバ青年と、２人のミスターインターナショナルの英良を生み出してきたわ。誰が電話に出るかでネタは変わるけど」
阿紫花「あたしがいねえ間に変な遊びすんのはやめなせえよ！」
菊「うるさい。アナタが女遊びと男遊びをやめたら考えてあげるわよ」
阿紫花「じゃあ無理」（即答）

　
　エレ、フウ、ギイ、ジョージで村長邸でお茶会。
ギイ「折角だ　日本に来たら　五・七・五。というわけで、会話をすべて俳句調にしてみよう。負けたら罰ゲームだ」
エレ「いいですよ　季語はルールに　入れますか」
フウ「こうしよう　短歌はセーフ　季語不要」
ジョージ「……面倒だ　罰ゲームは　何にする？」
ギイ「どうしよう　誰か何か　いいのない？」
エレ「手料理を　たまには誰か　作ってよ」
フウ「いいだろう　だが絶対に　負けないよ」
ジョージ「料理など　作った事は　過去に無い」
ギイ「面白い　ジョージが負けたら　カレーだな」
　その時ドバン！とドアを開けて阿紫花。
阿紫花「見て下せェ！百合の英語のテスト問題、あたしもやってみたら６８点だったんでさ！あたし中学出てねえのに！」←手にテスト用紙
ジョージ「素晴らしい　お前にしたら　最高だ」
ギイ「良かったね　中学出たと　言い張れる」
フウ「見直した　６８点　おめでとう」
阿紫花「……なんでさ、その口調。気味悪ィ」
エレ「折角の　日本ですもの　ゲームです」
ギイ「君もやる？　会話はすべて　五・七・五」
阿紫花「……。（しばらく考えて）出来ねえよ　あんたらホントに　外人か」

　ヴィルマも来た。
阿紫花「あたしは無理だから普通に喋りやすぜ……。お前ェさんもアメリカ人なのに日本語上手ェからなあ。吹き替え映画見てるみてえ。あ～あ、日本人なのがイヤんならあ」」
ヴィルマ「アメリカ人　なればいいわよ　籍入れよｗ」
阿紫花「え～……」
ジョージ「そんなのは許さんぞ！いいか、そんな理由で－－」
ギイ・エレ・フウ「はい、ジョージ負け～」
ジョージ「あああッ！貴様のせいだぞ、阿紫花！」
阿紫花「は！？なんであたしなんでさ！」
ギイ「まあ、根源的な原因ではあるかな」

　鳴海とやると二秒で終わる。
エレ「ねえ鳴海　好きな食べ物　何ですか？」
鳴海「ロールキャベツだけど？……ああっ、つい！」
エレ「いいんです……鳴海……（うっとり）」
　ネタはギャグマン〇日和から。でも反応は弟子と逆。


　阿紫花、夏休み帰省中に試練を受ける。
　明神様の祠をびくびくしながら進む阿紫花。
阿紫花「し、試練てなんですかねえ～……あたし、怖いのはイヤなんだが……。うう、衝月も無事に済まなかったって聞いたし……マジ怖ェ……。でも逃げ帰ったらジョージさんとギイさんに何言われるか……ああ、チクショウめ……」
　阿紫花の頭上で、長老３人組。
長老１「ふっふっふっ、英良め、黒賀の人形を殺しに使うなど、罰当たりなヤツじゃ」
長老２「そうじゃそうじゃ！ちと懲らしめねばな」
長老３「わしらのアンラッキーちゃん改（恐怖倍増）でヒイヒイ言わせてやるんじゃ！」
　頭上の会話も知らずに進む阿紫花。
阿紫花「あ～……煙草美味ェ。……何か来る？何か……」
アンラッキーちゃん「あおい眼をした　お人形は……」
阿紫花「ヒッ（恐怖で？顔が歪む）」
長老１「（隠れて操ってる）イイザマじゃ！食らえ英良！」
アンラッキーちゃん「アメリカ生まれのセールロイド！」
　シャカシャカシャカ、と３体同時に四肢で這い寄って来る。
阿紫花「ひぃぃぃ……ックション！（クシャミ）」
　阿紫花の踵落としで一体目の頭が砕かれる。右手の拳銃の台尻で二体目の腹を、左手から伸びた糸で操った人形で三体目の足を砕く。
阿紫花「ふえ～っくしょい！あ～、なんだ寒ィな。しかも変な人形がいやがるしよ。おい！どこの誰だか知らねえが、あたしは試練を受けに来ただけでさ！あたしの試練を邪魔しやがると承知しねえぞ！」
長老３人「……！（言葉を失う）」
阿紫花「あ～、夏だってのに寒ィなあ。あたし冷え性なのかねえ？……」
　壊した人形を素通りしていく阿紫花。長老たち涙目。

　そして明神様。
阿紫花「なんか湖に出ちまったなあ。泳げって言われたら、あたし今すぐ試練やめやすよ（寒いから）」
　ざばああ、と突然魚が。
　明神様、阿紫花に直行。目が合う。
阿紫花「あ゛あ゛？（ヤクザ顔）」
明神様「（ビクゥ！）」
阿紫花「刺身にしたら……食えっかな？」
明神様「（ビククン！）」
阿紫花「弱肉強食……なんすよねえ……（笑顔）」
明神様「……！（回れ右で水中へ）」
阿紫花「あっ、待ちやがれ今晩のおかず！野生動物ならこんくらいで怖気くなってんだ！」
　一人暗闇に残される阿紫花。
阿紫花「……試練なんざねえじゃねえか……」

　れんげ畑で待っていたギイとジョージ。
　洞窟の出口から、阿紫花が出てくる。
阿紫花「（ジョージに抱きつき）聞いて下せェよ！」
ジョージ「鬱陶しい（でも避けない）」
ギイ「どうした？阿紫花」
阿紫花「試練なんざ一つもありやせんでしたぜ……」
ギイ「ええ？おかしいな」
ジョージ「ズルしたんじゃないか？お前の事だから」
阿紫花「まっすぐ来やしたよ！でも何もありやせんでしたよ。変な人形壊して、魚取ろうとしたら逃げられただけだし……。今晩のおかずにしようと思って睨んだら逃げやがって……」
ギイ「……（それ、どっちも試練だ……）」
ジョージ「そんなもの食えるはずないだろうが！拾い食いはするなとあれだけ……」
阿紫花「いや、一回見てみろってんだ！絶対食い手があるデカさだと思うから！拳銃の弾取り上げられなかったら、仕留めてやしたよ！」
ギイ「……良かった、銃火器を取り上げておいて」