印刷 高速道路 1000円 機械仕掛けの林檎 小話9 忍者ブログ
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 毎度毎度つまらないものですが。

 小話9
〇そんな事もあるよ。
阿紫花「あたしが知ってるヤツにジョージってのがいんですけどね。そいつがまたデカイのなんのって。バカみてえにでけえから、遊びで近づいたら壊されちまいそうなんで。しかも見た感じガチガチに硬そうなんでね。あんま硬ェのは見てるだけで痛ェや。覆い被さって来られたら抵抗の一つも出来ずに食われちまう。しかもそいつァ人懐こくてね。誰彼構わず遊んでくれってんじゃ、血ィ見ンじゃねえかって思っちまいやすぜ。ま、外人さんだから行儀良く躾けてらっしゃるようでしたけどね。でもあんなにでけえんじゃあ、嫁さん見つけるのも一苦労なじゃねえかねえ」
ジョージ「……何の話だ」
阿紫花「こないだ見たテレビで、世界一でかい犬とか言う話やってて。あんたと同じ名前でね。覚えてたんで」
ジョージ「よそでその話題は絶対にするな。いいな」
阿紫花「家の中ならよろしいんで?」
ジョージ「寝室限定だな」



〇阿紫花家の娘さんたちは美人だね。
直太「菊さんてさあ、どっか昔のしろがねに似てるよな」
浩男「れんげちゃんてオレと趣味合うんだよな~」
紀之「百合ちゃんはイイコだな……。差し入れしてくれたりするし」
 三種三様にのろける三人。仲町がそれを見つけ、
仲町「おい、てめえら腑抜けてんじゃねえぞ。なんだなんだ、あの娘っ子たちか?まだガキじゃねえか。手ェ出すなよ」
浩男「ゲッ、まさか!」
紀之「当たり前だろオヤジ!ゆゆゆ、百合ちゃんにそんな変な真似するワケないだろが!まだ中学生だぞ!?」
直太「それはそうだけど……菊さんにちょっと俺ドキッとしちゃった」
浩男・紀之「お前それはヤバイだろ!」
直太「後五年くらいしたら、もっと綺麗になってんだろうな~。そしたら俺なんか相手にしてくれないよ。変な心配してんなよ、二人とも」
紀之「ま、そりゃそうだけど!」
浩男「高校生になったら彼氏とか作るんだろうな~。れんげちゃん……」
直太「……女の子って、何歳から結婚できるんだっけ」
浩男・紀之「それはヤバイっての!(真っ赤)」
仲町「……お前ェら夢見てるみてえだけどよ。一言、言っとくぞ」
三人「?」
仲町「阿紫花家の娘っ子と結婚したら、もれなく平馬と一番上の兄貴が身内になるんだぞ」
紀之「別にいいじゃん。平馬面白いヤツだし」
直太「お兄さんが殺し屋がどうの、って話?」
浩男「あのオッサン、別にそんな威圧感ねえし。こないだ煙草分けてくれたし。案外話せる感じで、俺は別に」
仲町「いるだろ、長男の背後に。威圧感の塊で睨んでくる話の通じねえヤツが」
三人「あ」

ジョージ「ぺくちっ……ああ、鼻腔のフィルターを検査する時期なのかな」
阿紫花「可愛いクシャミですねえ。一回のクシャミは悪い噂、二回は良い噂、三回は風邪なんですって。誰かがあんたの悪口言ってら」
ジョージ「そんな非科学的な事があるはずがない」
 あったりして。

直太「でも俺、ちょっとあのオッサン(阿紫花)にもドキッとした……(ハラワタぶった切ってたから)」
浩男・紀之(何故か真っ赤)「だからそれはヤバイって!」
直太「ヤバイよね!本当に!」
 うん、ヤバイ。

 

〇ある業界人の不幸
以前勝でテレビ番組を作ろうとしてたインタビュアー「ここが黒賀村か。結構田舎だな。いいか、民放の中でも高視聴率を獲得する我が曲の目玉番組『一億二千万人の大質問!笑っていかにも』のために村人たちにインタビューしまくるぞ~」
カメラマン「いい番組取らないと、降格のままですもんね」
インタビュアー「それを言うなよ。チッ……。あの天才ガキの番組が、あの後でこけなきゃ、俺は今でもディレクターだったんだ」
カメラマン「……あ、村人ですね」
インタビュアー「お、二人連れか。いいじゃないの。すいませ~ん」
 たまたま買い物帰りでテクテク歩いていたジョージとエレ。両手に荷物いっぱい。
エレ「遅くなってしまいましたね。運ぶのを手伝ってくれてありがとう」
ジョージ「いや、手が空いていたからな。……なんだ、誰か来る」
インタビュアー「すいませ~ん、ちょっと……(絶句「なんだこのでかい外人は!変に威圧感が」)
ジョージ「なんだ(エレがいるし、外国だと暴漢かも知れないシチュエーションだから警戒中)……何故話しかけてきた?」
インタビュアー「に、日本語上手ですね。この村の……」
ジョージ「それが君に何の関係がある?カメラか、それは(警戒MAX)」
インタビュアー「て、テレ、テレ、ビの取、ざ……」
ジョージ「は?もう一度言え。どこかの軍の関係者か?(威圧感MAX)二度は言わない。……この村に何をしに来た?」
インタビュアー「あわわ……助けて~!」(逃げる)
エレ「ジョージ……それでは普通の人は逃げます(呆れ顔)」

インタビュアー「な、なんだあの変な外人は!普通こんな田舎で外人が暮らしてたら『テレビでスカ~、私ハ英語の教師をしてマス』とか『日本の農家に嫁に来マシた』とかになるだろうが!」
カメラマン「はあ、はあ、……隣にいた姉ちゃんは綺麗だったけど、同じ銀髪でしたね。兄妹かな。おかしいっすね。全然似てない」
インタビュアー「第一村人が銀髪な時点でおかしいだろが!チッ……次だ次!……お、あそこにも誰かが」

ギイ「エレオノールとジョージに買い物に行ってもらって悪かったな。車がみんな出払っていたのに、歩いて隣村まで行かせてしまった」
阿紫花「ま、OKしたのは二人なんですから、いいって事で。イヤならイヤと言うでしょ、ジョージさんも嬢さんも。こっちも用が済んで迎えに行ってやってンだし」
ギイ「やれやれ、君といると、気遣いや心配りには度合いが大事なのだと痛感するよ。僕はもっと繊細なんでね。……ム、誰だ」
インタビュアー「(また銀髪かよ……)こ、この村の方ですか?」
ギイ「僕は違う。こっちの彼だけだ」
阿紫花「はあ。(業界人の胡散臭さに気づく)……なんの御用で?(静かなジト目)」
インタビュアー「(この村はまともな村人いねーのか!この男、なんか怖い……)い、いやテレビの取材で--」
阿紫花「あン?……(ナイフでも出しそうな空気)」
インタビュアー「ヒッ!な、なんでもないです~!」(逃げる)
ギイ「……なんだったんだ?今のは」
阿紫花「テレビとかなんとか言ってたけど」
 その後。
平馬「ごちそ~さん!なあ、新聞取って!今日なんかテレビやってねえ?」
阿紫花母「晩御飯食べたなら宿題してから見な!」
平馬「へ~い。お、今週は『笑っていかにも』休みかあ。『事情により』?なんかあったんかなあ」
 長くなっちゃった。
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