ドイツのブルストの断面が芸術的で思わず「充分綺麗だよドイツ料理w」と誉めたくなった今日この頃。
そんな事とはまったく関係ない小話をどうぞ。
そんな事とはまったく関係ない小話をどうぞ。
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小話19
〇今だから言うけど
テレビ見ながらぼけー、としてる阿紫花とジョージ、ギイ。車椅子のフウも見てる。
ヒマを持て余してつい呟くジョージ「……今だから言うけど」
ギイ「うん」
ジョージ「司令からアシハナのデータを書類で渡された時、名前だけ聞いて、書類は見ないでまず会いに行ったんだ。時間がないと言うし、正直、アシハナという人間がどんな人間でもどうでもよかったんだ」
阿紫花「……ま、そうでしょうね」
ギイ「(阿紫花が隣に座ってるのによく平気で言えるよな)それで?」
ジョージ「写真も見ないで行ったんだ。……名前の最後がアの音で終わっていたから、てっきり」
フウ「……」
ギイ「まさか」
ジョージ「女性かと思ってた……。アンナ、とかタチアナ、とかそういう系列の名前でアシハナと言うのかと。だから……最初、マフィアの女の方が《アシハナ》なのかと思って、……日本人だと聞いていなかったら、多分アシハナを見殺しにして金髪女の方に声をかけていたと思う」
十秒ほどの沈黙。
ギイ「謝れ」
ジョージ「……悪かったよ……」
阿紫花「はあ(今更どうでもいいんだけど)……」
集まってテレビ見てると、誰かがふと告白を始める時があるよね。
〇2010年のオリンピックネタ
ミンシア「日本の選手で、ジョージ・カトウっているじゃない。なんかジョージにミンハイの苗字くっつけたみたいで笑えちゃったわ。会場全体でジョージ・カトウってコールしてたけど」
エレ「結婚したみたいですか?(笑)ジョージが怒りますよ」
ジョージ「別に怒らないよ、エレオノール。他人の名前で一喜一憂するほど、私はヒマではない」
エレ「そうですよね。すいません」
ニョッキリ現れたギイ「謝る事は無いぞエレオノール。ジョージにとっては《あったら嫌な名前》が他にあるからな」
ミンシア「?」
ギイ「《エーリョー・カトウ》とか、《エーリョー・ソーン》とかな」
ジョージ「(心底イラッ)……その内《エーリョー・ラローシュ》とかにするさ……!」
阿紫花「……なんであたしが婿に行くの前提なんで……?」
印象で、かな……。
〇布団派には分かるまい
ベッドに寝転んでテレビ見てニヨニヨしてる阿紫花。ちいちゃい子どもがベッドではねてママンに叱られている場面。
阿紫花「ジョージさんも、ガキん頃はあんなでした?ベッドではねてよ、カワイイのな。まだ金髪だった頃?」
ジョージ「昔のベッドは今のように弾まなかったよ。羽根布団を敷いても固くてね……。それに私の両親は厳しかったから、行儀が悪い事はしなかったよ」
阿紫花「ま、そうでしょうね。アンタ見てるとそうだと思うわ。でも面白そうだと思わねえ?あたし布団も好きだが、ベッドはベッドで好きでさ。はねて面白ェ」
ジョージ「……私は君に、それを教えられたがな……」
阿紫花「? あたしが?」
その後。
ギシギシアンアンの最中にスプリングがはねまくってる。
上に乗ってる阿紫花「あ、うあっ、やべぇ(スプリングのせいでランダムに突かれてる)」
ジョージ「こういう良さがあるって教えてくれたからな(ニヤリ)」
終わって煙草吹かしてる阿紫花「あ~、でもあたし布団の方がよく眠れっかも。布団なら一人で眠れるし。アンタ寝返り打つと、あたし起きちまう」
ジョージ「……私は君と寝ている時は体を制御して寝返りはうたないようにしているんだが。誰と寝ていると、寝返りを、誰がするんだって?」
阿紫花「ゲホッゲホホッ(むせた)」
ありがちw
〇欲しいのは勇気じゃない。
ギイ「何を食べているんだい、阿紫花」
阿紫花「酒のツマミでさ。トバにスルメにホタテの貝柱にホヤヒモだろ~?スモークサーモンにイカ刺しに酢ダコに締めサバ。菊に小金握らせて送らせたんでさ!日本酒もありやすよ(心底嬉しそう)」
ヴィルマ「オウ、じゃアタシも混ぜてよ。ジャーキーあげるから。いろいろあるよ~。バドワイザーもあるよ~!こっそり持ち込んじゃったアメリカ製だよ」
阿紫花「でけェな……(掌サイズのジャーキーを見入りながら)」
ギイ「僕もワイン……は魚に合わないから、ブランデーを持って来よう。ジョージ、君は何か持ってるか?」
しどろもどろのジョージ「い、いや……(生の魚や貝が気持ち悪い)私は……」
ジョージの背後のヴィルマ「ブチィッ!(掌サイズのジャーキーを歯で噛み切った音)モシャモシャモシャ……」
ジョージ「……」
ヴィルマ「ゴッゴッゴッ……(バドワイザーを一気飲み)ぷは~!あ゛~、この一瞬のためにアタシ生きてる……!」←北斗の〇並みに漢な顔
阿紫花「(キュン★)(ほ、惚れそう……!)」
ジョージ「……ビ、ビール持ってくる……」
ギイ「ハハ、勇気出して魚を食べるのかい?」
勇気より男気。
ヒソヒソ話のギイ「ブランデーのツマミにチョコ?シロップ漬けのアンズ?女子大生か何かか?ジョージは……」
阿紫花「……(甘い物で酒飲むのやめてほしい……)」
ヴィルマ「でももう一瓶飲んでンのよ……酒強いんだか弱いんだか分かんない飲み方して、気持ち悪くならないのかね……」
三人の背後のジョージ「……すまないが、君(近くのメイド人形に)」
メイド「はい。お料理でしょうか?(ニコニコ」
ジョージ「ザッハトルテ(死ぬほど甘いチョコケーキ)」
三人「!!」
時々いませんか?甘い物で酒飲む人。私はブランデーとチョコ派で甘い物はブランデーとしか食べない。
その後。
ヴィルマ「ン~、バレンタインチョコあげよっかw義理チョコw」
ジョージ「……私は酒を飲む時しか甘い物食べないから、いい」
ギイ「(ジョージ……!そのツラで贅沢な……!)」
阿紫花「(酒とチョコは合わねえって……!)」
ヴィルマ「そう?折角みんなに買って来たのに。いいわ、阿紫花とハンサム・ガイにあげるから」
ジョージ「そうしてくれ。暗いところで光るチョコはしろがね-Oでもムリだ」
ギイ・阿紫花「……!?」
被害者が出るぞー。フランス人と日本人が被害にあうぞー。
〇ミステリー坂って知ってる?
ジョージ「錯覚の一つだろう。坂にオレンジを転がすと、上っていくと錯覚するんだろう?傾斜を繰り返したりして、遠近感覚と実際の勾配が一致しないと平衡感覚が狂って下りを上りと間違えたりする」
ギイ「縦断勾配錯視だね。ギアをニュートラルに入れた車が上っていくヤツか。日本にもあるんだね」
阿紫花「へえ。そうなんでさ。下りを繰り返しているのに上っていると勘違いするってヤツでさあね……」
ギイ「それがどうかした?」
阿紫花「いえね、フフ……堕ちて行ってるのに、昇ってるって思い込んで堕ちていくなんて、人生みてえな坂だなあ、なんて思いやしてね……(ヤクザ顔でしんみり)そう思いやせん?……人生なんてきっと、やっと日の目を見たと顔を上げて意気揚々と歩き出しても、やっぱり堕ちて行ってんでさ……」
ギイ「なんかあったのかい?……」
兄貴は時々重い。
阿紫花「歯車久しぶりに弄ったらどっちに進むのかわかんなくって逆に進ませたら車軸折れるわ懸糸噛むわ……」
ジョージ「昨日の夜の話か?酔っ払って弄るからだろう」
阿紫花「機軸の一番でっけえ歯車が二重に見えた時点で止めときゃよかった、って今後悔してんでさ……」
ジョージ「馬鹿が。自業自得だ」
阿紫花「へえ。アンタには何を言われても言い返せねえやなあ」
ジョージ「は?」
阿紫花「だって壊したのアンタのボラの最新の試作品だもの」
ジョージ「ふ……フウー!?フウー!?私のボラはどこだー!?」
地下の工房で壊れてる……。
〇敵うはずがない
ミンシア「今度の映画は日本のマンガが原作なの!日本のマンガといえば『萌え』!というワケで、マンガ文化にうるさいフランス出身のギイさんと、日本人の阿紫花に『萌え』を聞きにきたわ」
ギイ「僕はヌーベル・マンガ(最近のマンガ・日本の)なんか読んだ事ないよ。バンド・デシネ(昔からあるマンガのようなモノ)だって読んだ事ない。そんなヒマなかったよ」
ジョージ「すまないが私も同じだ」
ミンシア「……そっかー。だと思った。阿紫花は?阿紫花?……どうしたの?」
ジョージに寄り添って眠そうな阿紫花「あたしあんま……最近のは……」
ギイ「昨日遅くまで人形を弄っていたからな。眠いんだ」
ジョージ「だから早く寝ればいいのに……おい、失礼だろう。ミンシアに」
阿紫花「姐ちゃん、悪ィ……ふあ……(欠伸)」
ジョージ「おい、……ふぁ(口元を押さえて)」
ミンシア「(うつった!)」
阿紫花「……眠い……ふあぁ~(また欠伸)」
ミンシア・ギイ・ジョージ「(欠伸でキャッチボールした……!?)」
阿紫花「ダメだ……ちょい、寝……(ジョージの膝に頭を乗せて寝始める)」
ジョージ「おい……まったく、しょうがないヤツめ!(ブツブツ言いながらギイが差し出すひざ掛けを阿紫花にかけてやる)……しょうがないヤツめ……(言いながら阿紫花のオデコをなでなで)」
ミンシア「(胸キュン★)……(今の胸の高鳴りは何……!?ハッ、これが萌え!?あんなヤクザなオッサンをかわいいと思うなんて……)ギャップ萌え……!?」
ジョージ「ギャッ?」←非オタなので分かって無い。
ミンシアが萌えで兄貴に勝てるはずが無い。
ジョージ「萌えというものの説明は私には出来ないが、私が心動かされるのは『かわいいと思わせようとしない素のかわいさ』だ。子どもや小動物を愛らしく感じる気持ち、そういったものではないのかな」
ミンシア「でもセクシーも萌えに入る、って、ネットで見たわ。エロ本みたいなマンガ雑誌もあるんでしょ?パロディでHなのとかさ」
ギイ「らしいなあ。はは、ジョージは分かるんじゃないか?阿紫花マニアだからな。長男から末っ子、両親の阿紫花まで詳しいぞ。長男にだけは性的な真似をするからな(笑顔で)
ミンシア「……ただの家族ぐるみの付き合いってだけじゃない……?」
素の仕草がカワイイ、ってのは兄貴もだといい……w
〇あなたが欲しい
外出先のジョージ「(そろそろ夕食の時間か……。阿紫花に何か食べさせないとな)おい、君は何が欲しい?何が一番好きだ?酒や煙草以外で」
隣を歩いてた阿紫花「好き?(……そんなん、決まってんでしょ。こんなトコで何を聞くんだ、このハゲ)……あたしが好きなのは……『銀色で』『細長くて』『真ん丸いお目目』で、……『時々お熱い』……ヤツ」←流し目
ジョージ「……サンマ?焼いたヤツ?」←天然
ギイ「それで、日本食レストランでサンマ食べて来たのかい?」
阿紫花「……焼きサンマなかったんで、寿司食って来やした……。ジョージさん、卵と海苔巻きしか食わねえの承知で……。文句言わねえでかんぴょう巻き食ってやがんの……」
ギイ「(ジョージは気づいて無いが、嫌がらせだな……)そう……」
阿紫花「メニューにサンマがねえ事をあたしに謝るとか……あの鈍チン……小骨で咽喉チンコ貫いて死ね」
ギイ「殺すな、サンマで」
〇今だから言うけど
テレビ見ながらぼけー、としてる阿紫花とジョージ、ギイ。車椅子のフウも見てる。
ヒマを持て余してつい呟くジョージ「……今だから言うけど」
ギイ「うん」
ジョージ「司令からアシハナのデータを書類で渡された時、名前だけ聞いて、書類は見ないでまず会いに行ったんだ。時間がないと言うし、正直、アシハナという人間がどんな人間でもどうでもよかったんだ」
阿紫花「……ま、そうでしょうね」
ギイ「(阿紫花が隣に座ってるのによく平気で言えるよな)それで?」
ジョージ「写真も見ないで行ったんだ。……名前の最後がアの音で終わっていたから、てっきり」
フウ「……」
ギイ「まさか」
ジョージ「女性かと思ってた……。アンナ、とかタチアナ、とかそういう系列の名前でアシハナと言うのかと。だから……最初、マフィアの女の方が《アシハナ》なのかと思って、……日本人だと聞いていなかったら、多分アシハナを見殺しにして金髪女の方に声をかけていたと思う」
十秒ほどの沈黙。
ギイ「謝れ」
ジョージ「……悪かったよ……」
阿紫花「はあ(今更どうでもいいんだけど)……」
集まってテレビ見てると、誰かがふと告白を始める時があるよね。
〇2010年のオリンピックネタ
ミンシア「日本の選手で、ジョージ・カトウっているじゃない。なんかジョージにミンハイの苗字くっつけたみたいで笑えちゃったわ。会場全体でジョージ・カトウってコールしてたけど」
エレ「結婚したみたいですか?(笑)ジョージが怒りますよ」
ジョージ「別に怒らないよ、エレオノール。他人の名前で一喜一憂するほど、私はヒマではない」
エレ「そうですよね。すいません」
ニョッキリ現れたギイ「謝る事は無いぞエレオノール。ジョージにとっては《あったら嫌な名前》が他にあるからな」
ミンシア「?」
ギイ「《エーリョー・カトウ》とか、《エーリョー・ソーン》とかな」
ジョージ「(心底イラッ)……その内《エーリョー・ラローシュ》とかにするさ……!」
阿紫花「……なんであたしが婿に行くの前提なんで……?」
印象で、かな……。
〇布団派には分かるまい
ベッドに寝転んでテレビ見てニヨニヨしてる阿紫花。ちいちゃい子どもがベッドではねてママンに叱られている場面。
阿紫花「ジョージさんも、ガキん頃はあんなでした?ベッドではねてよ、カワイイのな。まだ金髪だった頃?」
ジョージ「昔のベッドは今のように弾まなかったよ。羽根布団を敷いても固くてね……。それに私の両親は厳しかったから、行儀が悪い事はしなかったよ」
阿紫花「ま、そうでしょうね。アンタ見てるとそうだと思うわ。でも面白そうだと思わねえ?あたし布団も好きだが、ベッドはベッドで好きでさ。はねて面白ェ」
ジョージ「……私は君に、それを教えられたがな……」
阿紫花「? あたしが?」
その後。
ギシギシアンアンの最中にスプリングがはねまくってる。
上に乗ってる阿紫花「あ、うあっ、やべぇ(スプリングのせいでランダムに突かれてる)」
ジョージ「こういう良さがあるって教えてくれたからな(ニヤリ)」
終わって煙草吹かしてる阿紫花「あ~、でもあたし布団の方がよく眠れっかも。布団なら一人で眠れるし。アンタ寝返り打つと、あたし起きちまう」
ジョージ「……私は君と寝ている時は体を制御して寝返りはうたないようにしているんだが。誰と寝ていると、寝返りを、誰がするんだって?」
阿紫花「ゲホッゲホホッ(むせた)」
ありがちw
〇欲しいのは勇気じゃない。
ギイ「何を食べているんだい、阿紫花」
阿紫花「酒のツマミでさ。トバにスルメにホタテの貝柱にホヤヒモだろ~?スモークサーモンにイカ刺しに酢ダコに締めサバ。菊に小金握らせて送らせたんでさ!日本酒もありやすよ(心底嬉しそう)」
ヴィルマ「オウ、じゃアタシも混ぜてよ。ジャーキーあげるから。いろいろあるよ~。バドワイザーもあるよ~!こっそり持ち込んじゃったアメリカ製だよ」
阿紫花「でけェな……(掌サイズのジャーキーを見入りながら)」
ギイ「僕もワイン……は魚に合わないから、ブランデーを持って来よう。ジョージ、君は何か持ってるか?」
しどろもどろのジョージ「い、いや……(生の魚や貝が気持ち悪い)私は……」
ジョージの背後のヴィルマ「ブチィッ!(掌サイズのジャーキーを歯で噛み切った音)モシャモシャモシャ……」
ジョージ「……」
ヴィルマ「ゴッゴッゴッ……(バドワイザーを一気飲み)ぷは~!あ゛~、この一瞬のためにアタシ生きてる……!」←北斗の〇並みに漢な顔
阿紫花「(キュン★)(ほ、惚れそう……!)」
ジョージ「……ビ、ビール持ってくる……」
ギイ「ハハ、勇気出して魚を食べるのかい?」
勇気より男気。
ヒソヒソ話のギイ「ブランデーのツマミにチョコ?シロップ漬けのアンズ?女子大生か何かか?ジョージは……」
阿紫花「……(甘い物で酒飲むのやめてほしい……)」
ヴィルマ「でももう一瓶飲んでンのよ……酒強いんだか弱いんだか分かんない飲み方して、気持ち悪くならないのかね……」
三人の背後のジョージ「……すまないが、君(近くのメイド人形に)」
メイド「はい。お料理でしょうか?(ニコニコ」
ジョージ「ザッハトルテ(死ぬほど甘いチョコケーキ)」
三人「!!」
時々いませんか?甘い物で酒飲む人。私はブランデーとチョコ派で甘い物はブランデーとしか食べない。
その後。
ヴィルマ「ン~、バレンタインチョコあげよっかw義理チョコw」
ジョージ「……私は酒を飲む時しか甘い物食べないから、いい」
ギイ「(ジョージ……!そのツラで贅沢な……!)」
阿紫花「(酒とチョコは合わねえって……!)」
ヴィルマ「そう?折角みんなに買って来たのに。いいわ、阿紫花とハンサム・ガイにあげるから」
ジョージ「そうしてくれ。暗いところで光るチョコはしろがね-Oでもムリだ」
ギイ・阿紫花「……!?」
被害者が出るぞー。フランス人と日本人が被害にあうぞー。
〇ミステリー坂って知ってる?
ジョージ「錯覚の一つだろう。坂にオレンジを転がすと、上っていくと錯覚するんだろう?傾斜を繰り返したりして、遠近感覚と実際の勾配が一致しないと平衡感覚が狂って下りを上りと間違えたりする」
ギイ「縦断勾配錯視だね。ギアをニュートラルに入れた車が上っていくヤツか。日本にもあるんだね」
阿紫花「へえ。そうなんでさ。下りを繰り返しているのに上っていると勘違いするってヤツでさあね……」
ギイ「それがどうかした?」
阿紫花「いえね、フフ……堕ちて行ってるのに、昇ってるって思い込んで堕ちていくなんて、人生みてえな坂だなあ、なんて思いやしてね……(ヤクザ顔でしんみり)そう思いやせん?……人生なんてきっと、やっと日の目を見たと顔を上げて意気揚々と歩き出しても、やっぱり堕ちて行ってんでさ……」
ギイ「なんかあったのかい?……」
兄貴は時々重い。
阿紫花「歯車久しぶりに弄ったらどっちに進むのかわかんなくって逆に進ませたら車軸折れるわ懸糸噛むわ……」
ジョージ「昨日の夜の話か?酔っ払って弄るからだろう」
阿紫花「機軸の一番でっけえ歯車が二重に見えた時点で止めときゃよかった、って今後悔してんでさ……」
ジョージ「馬鹿が。自業自得だ」
阿紫花「へえ。アンタには何を言われても言い返せねえやなあ」
ジョージ「は?」
阿紫花「だって壊したのアンタのボラの最新の試作品だもの」
ジョージ「ふ……フウー!?フウー!?私のボラはどこだー!?」
地下の工房で壊れてる……。
〇敵うはずがない
ミンシア「今度の映画は日本のマンガが原作なの!日本のマンガといえば『萌え』!というワケで、マンガ文化にうるさいフランス出身のギイさんと、日本人の阿紫花に『萌え』を聞きにきたわ」
ギイ「僕はヌーベル・マンガ(最近のマンガ・日本の)なんか読んだ事ないよ。バンド・デシネ(昔からあるマンガのようなモノ)だって読んだ事ない。そんなヒマなかったよ」
ジョージ「すまないが私も同じだ」
ミンシア「……そっかー。だと思った。阿紫花は?阿紫花?……どうしたの?」
ジョージに寄り添って眠そうな阿紫花「あたしあんま……最近のは……」
ギイ「昨日遅くまで人形を弄っていたからな。眠いんだ」
ジョージ「だから早く寝ればいいのに……おい、失礼だろう。ミンシアに」
阿紫花「姐ちゃん、悪ィ……ふあ……(欠伸)」
ジョージ「おい、……ふぁ(口元を押さえて)」
ミンシア「(うつった!)」
阿紫花「……眠い……ふあぁ~(また欠伸)」
ミンシア・ギイ・ジョージ「(欠伸でキャッチボールした……!?)」
阿紫花「ダメだ……ちょい、寝……(ジョージの膝に頭を乗せて寝始める)」
ジョージ「おい……まったく、しょうがないヤツめ!(ブツブツ言いながらギイが差し出すひざ掛けを阿紫花にかけてやる)……しょうがないヤツめ……(言いながら阿紫花のオデコをなでなで)」
ミンシア「(胸キュン★)……(今の胸の高鳴りは何……!?ハッ、これが萌え!?あんなヤクザなオッサンをかわいいと思うなんて……)ギャップ萌え……!?」
ジョージ「ギャッ?」←非オタなので分かって無い。
ミンシアが萌えで兄貴に勝てるはずが無い。
ジョージ「萌えというものの説明は私には出来ないが、私が心動かされるのは『かわいいと思わせようとしない素のかわいさ』だ。子どもや小動物を愛らしく感じる気持ち、そういったものではないのかな」
ミンシア「でもセクシーも萌えに入る、って、ネットで見たわ。エロ本みたいなマンガ雑誌もあるんでしょ?パロディでHなのとかさ」
ギイ「らしいなあ。はは、ジョージは分かるんじゃないか?阿紫花マニアだからな。長男から末っ子、両親の阿紫花まで詳しいぞ。長男にだけは性的な真似をするからな(笑顔で)
ミンシア「……ただの家族ぐるみの付き合いってだけじゃない……?」
素の仕草がカワイイ、ってのは兄貴もだといい……w
〇あなたが欲しい
外出先のジョージ「(そろそろ夕食の時間か……。阿紫花に何か食べさせないとな)おい、君は何が欲しい?何が一番好きだ?酒や煙草以外で」
隣を歩いてた阿紫花「好き?(……そんなん、決まってんでしょ。こんなトコで何を聞くんだ、このハゲ)……あたしが好きなのは……『銀色で』『細長くて』『真ん丸いお目目』で、……『時々お熱い』……ヤツ」←流し目
ジョージ「……サンマ?焼いたヤツ?」←天然
ギイ「それで、日本食レストランでサンマ食べて来たのかい?」
阿紫花「……焼きサンマなかったんで、寿司食って来やした……。ジョージさん、卵と海苔巻きしか食わねえの承知で……。文句言わねえでかんぴょう巻き食ってやがんの……」
ギイ「(ジョージは気づいて無いが、嫌がらせだな……)そう……」
阿紫花「メニューにサンマがねえ事をあたしに謝るとか……あの鈍チン……小骨で咽喉チンコ貫いて死ね」
ギイ「殺すな、サンマで」
子どもの頃、白露(白ロシア)と呼んでいた国がいつのまにか「ベラルーシ」になっていた……!私某国家マンガ読んでて「ベラルーシってどこだろ……」て思ってたけど、白露かよ!日本の教科書もう全部呼称その国の言語を採用して!分からん!
以上、全然関係ない呟きでしたが、下に小話まとめ。
以上、全然関係ない呟きでしたが、下に小話まとめ。
小話18
〇国民性なんて言ってもさあ
近代哲学を支える学者の多くはドイツ出身だったらしい。なので現代には「もし美女が壁にはりつけになっていたら」「ドイツ人は、なぜ美女が貼り付けられているのか哲学する」というジョークが存在する。
多分トーアとか青春時代がその時代なんじゃないかな?という小話。
ロッケンフィールド「お、トーアが考え込んでいる。ドイツ人らしく哲学でもしているのかな?」
トーア「ああ、君か……。(思いつめた顔)ちょっと、哲学的な事をね……」
ロッケン「何を考えてたんだい?」
トーア「答えが見つからないんだ……。『紳士という名の変態』と、『変態という名の紳士』って、どっちが紳士なのかな、って……」
ロッケン「……両方紳士じゃないと思うよ……」
この程度の哲学だった。
トーア「診療を受けに来たご婦人にそう言われちゃってさ……」
ロッケン「言われたの!?」
トーア「そこは大きな問題じゃないだろう!?どちらが紳士か、が大事だ!」
ロッケン「いや君の人生にとって最大の問題だよ!?両方紳士ではないし!」
確かに。
〇私も知らなかった。
ドミ「ロシアは寒くて、冬は全然太陽が見えないんです。だから砂漠でもいいから、太陽がいっぱいの場所で生まれたファティマが羨ましい……」
ファティマ「……ごめんなさい、ドミートリィ……。私、本当は、……トルコ出身なの……」
トルコ=砂漠が無い=砂漠の民ですらない
ドミ「……人生で三回目の革命に遭遇した気分だ……(ロシア崩壊⇒ソ連崩壊⇒ドミの中のファティマの株大暴落)」
ファティマ「お詫びにチューリップ(トルコ原産)あげますから……」
ドミ「……♪(ちょっと機嫌直った)」
もしファティマがサハラ砂漠の民じゃなかったらw
〇言う相手を選ぶ
ヴィルマ「セツブンやったよ~。豆拾って食べたけど、固くてさあ。柔らかく煮てくれればいいのに」
阿紫花「柔らかい豆ねえ。あたしゃアンタの豆のが食いてえね(ニヨニヨ)」
ヴィルマ「やっだもう~!今食うかい?味見する?歳の数だけ!?」
大笑いする阿紫花とヴィルマ。
遠くから眺めているジョージ「(……私ももう百年も生きているんだから、彼らのように下ネタで大笑いするくらい可能なはず……!)ア、アシハナ!」
阿紫花「へえ?あ、ジョージ。どしたい?」
ジョージ「(緊張で青ざめて引き攣った笑顔)わ、わ、私の下半身のヴルスト(ソーセージ)も、ど、どうだ……?」
阿紫花「嫌っ……」←痴漢に遭ったかのような怯えた顔
ギイ「何怖がらせてるんだ、君は……(性被害にあった女性のような阿紫花を抱きしめながら)」
ジョージ「ち、違う!私もちょっと言ってみたかっただけなんだ!」
ヴィルマ「いや、アレは常習の臭いがしたよ。初犯じゃ出せない顔してたよ」
ジョージ「初犯だ!いや犯罪じゃない!」
阿紫花「いっつもそうやってあんたは……!」
ギイ「愛しててもやっていい事と悪い事があるんだぞ、ジョージ」
ジョージ「冤罪だ……」
ヴィルマと阿紫花のノリは、教室で未使用のナプキンでバレーをしてしまう女子高のノリ。
〇日本について結構どうでもいいジョージ
ジョージ「君みたいな男が日本で流行っているらしいな。不思議な事だ」
阿紫花「? チョイ悪オヤジの事?ははあ、とうとうあたしも、そういう渋い魅力が身についたってワケで?(ちょっと誇らしげ)」
ジョージ「いや、そんな名前じゃなかったな……。え~と……sou……shoshoku?」
阿紫花「草食?うげっ、このあたしが、そんなモヤシみてえな若造に見えるんで?もう30もとっくに越してんのに……」
ジョージ「年が関係あるのか?男子とは、男性全般ではないのか?」
阿紫花「正しい使い方は知らねえけど、普通男子ってのは若いのを差すんですよ。それにあたしも草食じゃねえよ。バリバリの肉食だっつーの。あたしの戦歴話して聴かせやしょうか?男と女どっちから聴く?」
ジョージ「大分分かっているからいい。それより、君がソウショク系じゃないなんて意外だな。家が神社なのに」
阿紫花「神社?」
ジョージ「僧職系男子」
阿紫花「うちは神職系ですけど」
何回教えても神社と寺の区別が怪しい外人さん。
阿紫花「しかもあたしは長男だけど、神主のシノギなんざ知りやせんぜ。祝詞だって唱えられねえよ」
ジョージ「そうか?私はこの間日本に行った時に暇つぶしに覚えたよ。君のお父上に教わって」
阿紫花「……」
長男より馴染むジョージ。
〇ギイ先生の恋愛講座
ギイ「世界中の美女の皆さんこんにちは。生粋のパリっ子(半分ウソ)ギイ・クリストフ・レッシュです。(ム、誰だ『女性の敵』とか言ってるのは)突然ですが、日本人は恋人に愛を伝えるのが苦手だそうですね。照れや思い込みが邪魔して恋人を誉める事すら出来ない日本のあなた方に、僕が今夜その方法をアドバイスして差し上げましょう。ただしアドバイスは男性限定です。魅力的な女性の皆さんに対しては、アドバイスなど不要。必要なのは僕の愛の言葉……。僕の愛を耳元で聞きたい女性はコチラまで」
鳴海「誰と話してんだオメーは」←鳴海の背後にエレと阿紫花とジョージ。
ギイ「ム。来たな、僕の恋愛講座が必要な不器用な日本人が」
ジョージ「日本人?アシハナには不要だろう」
ギイ「君らの場合は逆だよ。ジョージ。どっちが日本人だか分からない時があるからな」
エレ「私も半分日本人なのですが……」
ギイ「君は言われる側だからいるだけでいいよ」
阿紫花「……あたしは?」
ギイ「……さ、始めようか」←スルー
阿紫花「あたしは?なあ、ギイさんよ……」←スルーされ続ける阿紫花
鳴海の場合
ギイ「恋人を誉める事が大事だ。恥ずかしがらずに、相手のいいところを見つけるんだ。ちょっとエレオノールにモデルになってもらおう」
エレ「?(ギイの隣に座る)」
ギイ「(エレの手を握って)エレオノール、君は世界一美しい。その目も、鼻も、口も、すべてが光り輝いている。君はダイヤのごとく輝くが君の手は暖かい。君の爪先は遠くの星のように美しい。こうして君の手を取れるなんて、奇跡のようだ……(キラキラ)」
ジョージ「口説き文句が古い」
阿紫花「(無言でニヨニヨ)」
苦笑しつつニコニコしてるエレ。
ギイ「外野は私語を慎むように。さ、鳴海!君もこれくらいやって見せるんだな」
鳴海「必要ねえよ、そんなん……」
ギイ「照れているのか?恋人を誉めるのは大事なんだぞ。今後の君らの夫婦仲を心配してだなあ……」
鳴海「あ~?そんな事、俺が言わなくても世界中のみんながそう思ってるだろ……」
エレ「鳴海……!(赤い顔)」
ジョージ「なるほど……。この手でいくか……」
ギイ「カンニング禁止だ」
ジョージの場合
ギイ「最初に言っておく。絶対に笑い出すなよ。君が笑い出したら僕も止まらなくなる気がするから。じゃあ行くぞ」
阿紫花「へえ(早くも笑いを堪える顔)」
ギイ「……君は可愛い。切れ長の目も魅力的だけど、笑うと親しみやすくなる。黒猫みたいな髪だから、ついいつも撫でてしまう。君といると言葉が無くてもいいような気がしてしまう。いつまでも撫でていたい」
エレ「なんだか具体的ですね……いつもしているのでしょうか」
鳴海「(やってそう……)」
阿紫花「ぶへーっ!ギイ、ギイさん、あんた……ひゃひゃひゃひゃひゃ!笑える!面白ェ」
ギイ「……ぷくくくくく、ダメだ、やっぱり僕は男相手は無理……!ははは、ジョージ、どうだい。相手を誉めるって分かったかい?」
ジョージ「ああ、よく分かった。ただ……」
ギイ「なんだよ」
ジョージ「……さっきのは誰を誉めていたんだ?可愛いとか魅力的とか……アシハナ……ではないよなあ……君の妄想の中の女か?(哀れむ目)」
ちょお前。
もうワンパターン。オーストリア人の本気。
ギイ「どうだい、相手を誉めるって分かったかい?」
ジョージ「ああ。よく分かった。アシハナ……」
阿紫花「へえ?」
ジョージ「(すっげー早口で)君は一個の楽器のように私の生活の中で美しい旋律を奏でている。君という音楽は時に柔らかな春風の協奏曲のように、時に夏のように情熱的な狂詩曲のように、時に穏やかで淋しい秋のような無言曲のようだ。これほど豊かな調和の中で、君といると冬を感じないよ」
両手首を掴まれて青い顔の阿紫花「……」←ドン引き
ジョージ「君となら受難曲すら喜劇曲に変えられる。君という音楽を奏でるピアノになりたい。君の旋律を教えてくれ。どれほどの技巧曲でも弾きこなす愛が私にはある……(まだまだ喋ってる)」
砂吐きそうな顔の阿紫花「た……タイム!タイム!いやロープ!タオルを……タオルを投げてコーチ!!」
ギイ「いい勝負だ……もっとやれ」
鳴海「何の勝負だ……?」
百年分の愛を語る。
阿紫花「ぎ、ギブアップー!!」
ギイ「残念、それは認められないな……」
〇膝枕(ちょっとシリアス)
ギイ「阿紫花、ちょっとおいで」
阿紫花「へえ」
ギイ「膝枕してあげよう」
別室からピアノの曲が聞こえる。
素直に膝枕する阿紫花「(キレーな顔してんなあ……)」←ギイの顔を見上げて
ギイ「ジョージはずっとピアノを弾いているね。……」
阿紫花「ムカついてんでしょ。それか嬉しいのか……」
ギイ「そうだね……」
サイドテーブルの上に「ゾナハ病合併症症例と希少難病症例比較」と英語で書いた本と、死んだ子どもたちのアルバムがのっている。
ギイ「僕は、ジョージのピアノは好きだよ……(阿紫花の頭を撫でながら)フウは?朝からずっと研究室?」
阿紫花「多分ね。(この人、こないだためしに買ったサッカーくじが当たった時も、こうしてあたしの頭撫でてたっけね)……(嬉しい時も、哀しい時も、きっとこうして『誰か』さんの頭撫でるしか出来なかったんでしょうね……)……不思議じゃねえですかい?人は悲しくても嬉しくても、やる事ァ一緒なんですよ。ピアノ弾いたり、研究に没頭したり……フリかも知れねえけどね」
ギイ「だったら君は?大好きな操り人形はいいのかい?……(撫で撫で)」
阿紫花「……あたしはね、ちょいと器用なんです。だから平気……頭撫でられるのも嫌いじゃねえしね……(哀しくても嬉しくても、やる事一緒てな、誰も彼も不器用ですねえ……)好きなだけどうぞ」
そしてどうしていいか分からないあたしだけが何も出来ないのだ。
何回目かの、「『人類が救われた』そして『あの男が死んだ』日」のお話。
〇国民性なんて言ってもさあ
近代哲学を支える学者の多くはドイツ出身だったらしい。なので現代には「もし美女が壁にはりつけになっていたら」「ドイツ人は、なぜ美女が貼り付けられているのか哲学する」というジョークが存在する。
多分トーアとか青春時代がその時代なんじゃないかな?という小話。
ロッケンフィールド「お、トーアが考え込んでいる。ドイツ人らしく哲学でもしているのかな?」
トーア「ああ、君か……。(思いつめた顔)ちょっと、哲学的な事をね……」
ロッケン「何を考えてたんだい?」
トーア「答えが見つからないんだ……。『紳士という名の変態』と、『変態という名の紳士』って、どっちが紳士なのかな、って……」
ロッケン「……両方紳士じゃないと思うよ……」
この程度の哲学だった。
トーア「診療を受けに来たご婦人にそう言われちゃってさ……」
ロッケン「言われたの!?」
トーア「そこは大きな問題じゃないだろう!?どちらが紳士か、が大事だ!」
ロッケン「いや君の人生にとって最大の問題だよ!?両方紳士ではないし!」
確かに。
〇私も知らなかった。
ドミ「ロシアは寒くて、冬は全然太陽が見えないんです。だから砂漠でもいいから、太陽がいっぱいの場所で生まれたファティマが羨ましい……」
ファティマ「……ごめんなさい、ドミートリィ……。私、本当は、……トルコ出身なの……」
トルコ=砂漠が無い=砂漠の民ですらない
ドミ「……人生で三回目の革命に遭遇した気分だ……(ロシア崩壊⇒ソ連崩壊⇒ドミの中のファティマの株大暴落)」
ファティマ「お詫びにチューリップ(トルコ原産)あげますから……」
ドミ「……♪(ちょっと機嫌直った)」
もしファティマがサハラ砂漠の民じゃなかったらw
〇言う相手を選ぶ
ヴィルマ「セツブンやったよ~。豆拾って食べたけど、固くてさあ。柔らかく煮てくれればいいのに」
阿紫花「柔らかい豆ねえ。あたしゃアンタの豆のが食いてえね(ニヨニヨ)」
ヴィルマ「やっだもう~!今食うかい?味見する?歳の数だけ!?」
大笑いする阿紫花とヴィルマ。
遠くから眺めているジョージ「(……私ももう百年も生きているんだから、彼らのように下ネタで大笑いするくらい可能なはず……!)ア、アシハナ!」
阿紫花「へえ?あ、ジョージ。どしたい?」
ジョージ「(緊張で青ざめて引き攣った笑顔)わ、わ、私の下半身のヴルスト(ソーセージ)も、ど、どうだ……?」
阿紫花「嫌っ……」←痴漢に遭ったかのような怯えた顔
ギイ「何怖がらせてるんだ、君は……(性被害にあった女性のような阿紫花を抱きしめながら)」
ジョージ「ち、違う!私もちょっと言ってみたかっただけなんだ!」
ヴィルマ「いや、アレは常習の臭いがしたよ。初犯じゃ出せない顔してたよ」
ジョージ「初犯だ!いや犯罪じゃない!」
阿紫花「いっつもそうやってあんたは……!」
ギイ「愛しててもやっていい事と悪い事があるんだぞ、ジョージ」
ジョージ「冤罪だ……」
ヴィルマと阿紫花のノリは、教室で未使用のナプキンでバレーをしてしまう女子高のノリ。
〇日本について結構どうでもいいジョージ
ジョージ「君みたいな男が日本で流行っているらしいな。不思議な事だ」
阿紫花「? チョイ悪オヤジの事?ははあ、とうとうあたしも、そういう渋い魅力が身についたってワケで?(ちょっと誇らしげ)」
ジョージ「いや、そんな名前じゃなかったな……。え~と……sou……shoshoku?」
阿紫花「草食?うげっ、このあたしが、そんなモヤシみてえな若造に見えるんで?もう30もとっくに越してんのに……」
ジョージ「年が関係あるのか?男子とは、男性全般ではないのか?」
阿紫花「正しい使い方は知らねえけど、普通男子ってのは若いのを差すんですよ。それにあたしも草食じゃねえよ。バリバリの肉食だっつーの。あたしの戦歴話して聴かせやしょうか?男と女どっちから聴く?」
ジョージ「大分分かっているからいい。それより、君がソウショク系じゃないなんて意外だな。家が神社なのに」
阿紫花「神社?」
ジョージ「僧職系男子」
阿紫花「うちは神職系ですけど」
何回教えても神社と寺の区別が怪しい外人さん。
阿紫花「しかもあたしは長男だけど、神主のシノギなんざ知りやせんぜ。祝詞だって唱えられねえよ」
ジョージ「そうか?私はこの間日本に行った時に暇つぶしに覚えたよ。君のお父上に教わって」
阿紫花「……」
長男より馴染むジョージ。
〇ギイ先生の恋愛講座
ギイ「世界中の美女の皆さんこんにちは。生粋のパリっ子(半分ウソ)ギイ・クリストフ・レッシュです。(ム、誰だ『女性の敵』とか言ってるのは)突然ですが、日本人は恋人に愛を伝えるのが苦手だそうですね。照れや思い込みが邪魔して恋人を誉める事すら出来ない日本のあなた方に、僕が今夜その方法をアドバイスして差し上げましょう。ただしアドバイスは男性限定です。魅力的な女性の皆さんに対しては、アドバイスなど不要。必要なのは僕の愛の言葉……。僕の愛を耳元で聞きたい女性はコチラまで」
鳴海「誰と話してんだオメーは」←鳴海の背後にエレと阿紫花とジョージ。
ギイ「ム。来たな、僕の恋愛講座が必要な不器用な日本人が」
ジョージ「日本人?アシハナには不要だろう」
ギイ「君らの場合は逆だよ。ジョージ。どっちが日本人だか分からない時があるからな」
エレ「私も半分日本人なのですが……」
ギイ「君は言われる側だからいるだけでいいよ」
阿紫花「……あたしは?」
ギイ「……さ、始めようか」←スルー
阿紫花「あたしは?なあ、ギイさんよ……」←スルーされ続ける阿紫花
鳴海の場合
ギイ「恋人を誉める事が大事だ。恥ずかしがらずに、相手のいいところを見つけるんだ。ちょっとエレオノールにモデルになってもらおう」
エレ「?(ギイの隣に座る)」
ギイ「(エレの手を握って)エレオノール、君は世界一美しい。その目も、鼻も、口も、すべてが光り輝いている。君はダイヤのごとく輝くが君の手は暖かい。君の爪先は遠くの星のように美しい。こうして君の手を取れるなんて、奇跡のようだ……(キラキラ)」
ジョージ「口説き文句が古い」
阿紫花「(無言でニヨニヨ)」
苦笑しつつニコニコしてるエレ。
ギイ「外野は私語を慎むように。さ、鳴海!君もこれくらいやって見せるんだな」
鳴海「必要ねえよ、そんなん……」
ギイ「照れているのか?恋人を誉めるのは大事なんだぞ。今後の君らの夫婦仲を心配してだなあ……」
鳴海「あ~?そんな事、俺が言わなくても世界中のみんながそう思ってるだろ……」
エレ「鳴海……!(赤い顔)」
ジョージ「なるほど……。この手でいくか……」
ギイ「カンニング禁止だ」
ジョージの場合
ギイ「最初に言っておく。絶対に笑い出すなよ。君が笑い出したら僕も止まらなくなる気がするから。じゃあ行くぞ」
阿紫花「へえ(早くも笑いを堪える顔)」
ギイ「……君は可愛い。切れ長の目も魅力的だけど、笑うと親しみやすくなる。黒猫みたいな髪だから、ついいつも撫でてしまう。君といると言葉が無くてもいいような気がしてしまう。いつまでも撫でていたい」
エレ「なんだか具体的ですね……いつもしているのでしょうか」
鳴海「(やってそう……)」
阿紫花「ぶへーっ!ギイ、ギイさん、あんた……ひゃひゃひゃひゃひゃ!笑える!面白ェ」
ギイ「……ぷくくくくく、ダメだ、やっぱり僕は男相手は無理……!ははは、ジョージ、どうだい。相手を誉めるって分かったかい?」
ジョージ「ああ、よく分かった。ただ……」
ギイ「なんだよ」
ジョージ「……さっきのは誰を誉めていたんだ?可愛いとか魅力的とか……アシハナ……ではないよなあ……君の妄想の中の女か?(哀れむ目)」
ちょお前。
もうワンパターン。オーストリア人の本気。
ギイ「どうだい、相手を誉めるって分かったかい?」
ジョージ「ああ。よく分かった。アシハナ……」
阿紫花「へえ?」
ジョージ「(すっげー早口で)君は一個の楽器のように私の生活の中で美しい旋律を奏でている。君という音楽は時に柔らかな春風の協奏曲のように、時に夏のように情熱的な狂詩曲のように、時に穏やかで淋しい秋のような無言曲のようだ。これほど豊かな調和の中で、君といると冬を感じないよ」
両手首を掴まれて青い顔の阿紫花「……」←ドン引き
ジョージ「君となら受難曲すら喜劇曲に変えられる。君という音楽を奏でるピアノになりたい。君の旋律を教えてくれ。どれほどの技巧曲でも弾きこなす愛が私にはある……(まだまだ喋ってる)」
砂吐きそうな顔の阿紫花「た……タイム!タイム!いやロープ!タオルを……タオルを投げてコーチ!!」
ギイ「いい勝負だ……もっとやれ」
鳴海「何の勝負だ……?」
百年分の愛を語る。
阿紫花「ぎ、ギブアップー!!」
ギイ「残念、それは認められないな……」
〇膝枕(ちょっとシリアス)
ギイ「阿紫花、ちょっとおいで」
阿紫花「へえ」
ギイ「膝枕してあげよう」
別室からピアノの曲が聞こえる。
素直に膝枕する阿紫花「(キレーな顔してんなあ……)」←ギイの顔を見上げて
ギイ「ジョージはずっとピアノを弾いているね。……」
阿紫花「ムカついてんでしょ。それか嬉しいのか……」
ギイ「そうだね……」
サイドテーブルの上に「ゾナハ病合併症症例と希少難病症例比較」と英語で書いた本と、死んだ子どもたちのアルバムがのっている。
ギイ「僕は、ジョージのピアノは好きだよ……(阿紫花の頭を撫でながら)フウは?朝からずっと研究室?」
阿紫花「多分ね。(この人、こないだためしに買ったサッカーくじが当たった時も、こうしてあたしの頭撫でてたっけね)……(嬉しい時も、哀しい時も、きっとこうして『誰か』さんの頭撫でるしか出来なかったんでしょうね……)……不思議じゃねえですかい?人は悲しくても嬉しくても、やる事ァ一緒なんですよ。ピアノ弾いたり、研究に没頭したり……フリかも知れねえけどね」
ギイ「だったら君は?大好きな操り人形はいいのかい?……(撫で撫で)」
阿紫花「……あたしはね、ちょいと器用なんです。だから平気……頭撫でられるのも嫌いじゃねえしね……(哀しくても嬉しくても、やる事一緒てな、誰も彼も不器用ですねえ……)好きなだけどうぞ」
そしてどうしていいか分からないあたしだけが何も出来ないのだ。
何回目かの、「『人類が救われた』そして『あの男が死んだ』日」のお話。
まとめ損ねていた作品があったのでここでUP。
〇意外な一面。
エレ「この間、鳴海が私のために料理を作ってくれたの。食事は私は担当なんだけど、その日私が学校の行事で少し忙しくて……。いつもはやらない事をしてくれるって、なんだか意外で、……胸がいっぱいになってしまった。そういうの、ある?」
阿紫花「……こないだ、通りの向かいをジョージが歩いてるの見つけたんで、通り越しに投げキッスしたら、しばらく投げたキスが空中で迷走してるような動きをしてからキャッチしてたっけな……。機嫌良かったんでしょうねー、きっと」
エレ「(キュン) 私もやってみようかしら……」
その後。
テーブルにうつぶせのエレ「……鳴海にやったら、真っ赤になって固まって動かなくなっちゃった……」
阿紫花「はあ、照れたんじゃねえですかねえ。あの兄さんのこったし、仕方ねえよ」
エレ「ダメよー。絶対可愛いはずよ、鳴海が空中を漂うキスをキャッチする仕草。やっぱり日本人だからダメなのかしら……」
阿紫花「いやあ、ジョージよりは付き合いやすいと思いやすけどねえ……(しみじみ)」
エレ「そうかしら……」
恋人いる組の雑談。ジョージがそんな事したらカワイイと思って。
エレが投げキッスってカワイ過ぎるだろうなあ……。
〇意外な一面・その2
鳴海「しろがねの新しいサーカスの衣装、みんなで一緒に選んだけどよ、サーカスの衣装って結構……エロいよな。……リハーサルでそれ着てるの見るだけで気が重いぜ……。絶対みんな見惚れるに決まってるんだぜ。(ため息)……なあ、相方がふとした瞬間にエロい事ってあるか?ピンと来るか分かンねーけど」
ジョージ「(……性的だと思う瞬間?……)」
ジョージの脳内の阿紫花『(グラス片手に目を逸らしたまま)……体のどっかが触れてるより、……目が合ってるだけのがエロい感じすんのな。……相手がアンタだと……』
ジョージ「……(あんなのは別に性的でも何でもないはず。アブノーマルなヤツと思われたくないし……コイツに理解できる気がしない……)無いな。無い無い」
鳴海「そっかー」
〇ユーメイクミースマイル
ジョージ「何かあったのか?」
ギイ「なんで?」
ジョージ「最近阿紫花と目が合うと、笑うから。……」
ギイ「……」
回想。
ギイ『何かあったのかい?』
阿紫花『何もォ?いつもと一緒でさ』
ギイ『……ジョージを見てなんで笑ってるんだい?』
阿紫花『あ~、だってジョージさん、こっち見て笑ってんだ。その事に自分で気付いてねーんですぜ』
回想終了。
ギイ「……人に優しくされると、優しくなれるんだよ、人間は。……」
ジョージ「? 何か優しくしてやったかな……」
アナタが笑うから。
〇絶対音感
ヴィルマ「一日中ピアノ弾いてて、よく飽きないわね~、アンタ」
ジョージ「君だって一日中ナイフを投げ続けていられるだろう?同じだよ。満足できないんだ」
ヴィルマ「……。ねえ、なんか面白いコト出来ないの?クラシックばっかじゃ飽きるわ」
ジョージ「……一回聴いた曲はほとんど再現できる。州知事(ターミネーターのテーマ)」
ヴィルマ「へ~、見直したよ。アンタやっぱり才能あったんだよ。ねえ、得意な曲は?」
ジョージ「……日本の演歌」
ヴィルマ「ふーん?」
ジョージ「阿紫花がベッドで歌うから」
ヴィルマ「(イラッ)」
阿紫花「上~野発の~夜~行列車お~りた時~から~♪(音痴)」
ジョージ「(阿紫花の歌声に合った音階と曲調なのでメチャクチャ)」
ヴィルマ「……なんか、ゴメンね……(聴かなきゃ良かった……)」
阿紫花「なんでさ?あたしとジョージさんのセッションに聞き惚れてんで?よし、次はサブちゃんで」
ヴィルマ「いや、いいわ」
絶対音痴。
〇しろがねって、こういう事してそうだ。
エレ「ナンパされても、日本語が分からないフリをしてました……」
ギイ「日本のタクシーの運転手は外国人に優しいから、カタコトを装った事がある……。300円負けてくれた……。だって手持ちが不安だったんだ……」
ジョージ「……阿紫花と日本の喫茶店で待ち合わせしてて、あまりに来なくて……。三時間も待ったんだが、その時梅昆布茶を出されて……。日本だと『帰れ』という意味だったと後で知った……」
ハフウ、とため息を漏らす3人。
上機嫌で入ってきた阿紫花「あ?何話してるんで?いや~、ココ来るまでにタクシーの運ちゃんに色目使ったら120円負けてくれやがった!そんで昔なじみの女のヤサで茶漬けご馳走になって昼飯浮いたし!あ、それと昔の男の一人に見つかっちまってよ!面倒臭ェから人形でフルボッコしてきやした。あ~、スッキリした!なんかイイ日だなあ、今日は」
三人「……」
からくりのしろがねたちって、なんかあんまり外国人らしくないよね……。なんとなく。
〇ギイはイイ男過ぎるんだよ……
ギイ「ジョージ……!この世にはブサイクしか愛せない人たちがいるんだって……!!すごく肥った人とか、すごくファニーな顔立ちしか愛せない人が……!」
ジョージ「……いるんじゃないか?それは……」
ギイ「しかも阿紫花の話だと、日本だと結婚詐欺や保険金殺人とかやっちゃう男女の多くは、どちらかというとファニーが多いんだって……!田舎臭いとかブスだとか、そういうマイナス面が信用を誘うとかで……」
ジョージ「……」
ギイ「なんという『ジョージ尊ギイ卑』……!君には阿紫花がいるし、猪チョンマゲにはエレオノールがいるし……だのに僕は出会いのカケラも無い……!こんな理不尽があっていいものか……!?ジョージ!分かるか!?僕の不運が!君はモテモテだが、真に美しい僕は永遠に独り身さ……!」
ジョージ「とてもよく分かる(なんで君に恋人がいないのかが心底よく分かる……)」
ギイ「だろ!?だから僕の内面を見てくれる女性を探そうと思う!」
ジョージ「いやあ、なおさらやめておいた方がいいんじゃないかな……(自分の内面がイイというギイの自信がウザい)」
ギイ「なんで!?」
ジョージ「いや……なんでもクソもないけど……」
〇一生、守り続けようと思った
ギイ「君はなんでジョージなんか好きなんだ?あんなに性格が歪んでいる上に、オデコだぞ。どこがいいんだ?」
阿紫花「そうっすねえ……。(指折り数えながら)人形とヤらせようとしねえトコとか、人を豚とかゴミ虫とか呼ばねェトコとか、あたしをサツとか組に売ろうとしねえトコとか、いろんな穴を変に拡張したがる癖がなねえトコとか、セックスの最中に殴んないトコとか、ですかね……(照れ微笑)」
ギイ「(無言で、ぎゅ、と阿紫花の体を抱きしめる)」
ギイ「阿紫花を不幸にしたら許さないからな」
ジョージ「君のその仲人をしたがる癖を治せ。そんな事は君に言われるまでも無いんだよ」
ギイ「ならいい。許す」
ジョージ「何故君の許可がいるんだ……」
仲人さんはいつでも心配。
〇お弁当お弁当嬉しいな♪
エレ「サーカスの設営を手伝ってくれてありがとうございます。お礼といっては何ですが、お弁当を作りましたので、どうぞ食べてください」
ギイ「君が作ったのか?」
エレ「はい。先生のお口に合えばよろしいのですが……」
ギイ「(感動の表情をすぐに消して)ああ、ありがとう。食べさせてもらうよ」
エレ「日本で流行っている『キャラ弁』というのを作ってみました。結構面白かったので、作りこみすぎてしまいました」
その後。
ギイ「なんだ、君たちも貰ったのか……。(僕だけにじゃなかったんだな)まあいい。どんな中身なんだろうな。(開ける)あ、オリンピアの顔かな、これは。綺麗だな、卵焼きや海苔で顔が描いてあるよ」
阿紫花「……(弁当の中にプルチネルラのドスの効いた顔)絶対ェ根に持ってる……。どうしてもってんなら、グリモの方にしてくれりゃいいのに……」
ギイ「阿紫花はなんでヘコんでいるんだ?--ジョージは?キャラクター弁当なんだろう?君は人形使ってないけど、何が描かれて--」
ジョージ「……(包みを開けると、馬鹿でかい真っ黒い海苔を貼っただけの真ん丸いおにぎり)こんな事だろうと思ってた……」
ギイ「わ、分かりやすくていいじゃないか!すぐに君だって分かるよ!(慰めようと必死)」
阿紫花「そ、そうそう!人間見た目じゃねえよ!?」
ジョージ「……私にそれを言うか……?」
阿紫花「ヒィ、すいやせん!」
ギイ「『鋼鉄の真っ黒黒助』とか『オデコとボラの輝きはしろがね1のナイス・ガイ』とかルシールと陰で呼んでですまなかった!」
阿紫花「『鋼のフン転が師』とか『ひとり初日の出』とか心の中で呼んでてすいやせん!」
ジョージ「君ら後で手段を選ばず泣かすからな。覚えてろ。(ムシャムシャ)……な、中におかずで作った私の人形が入ってる……!(ちょっと喜びに震えている)気付かずに食べてしまったかもしれないのに……!」
ギイ「ほう、エレオノールは器用だな。手先が器用な所は両親に似てくれてありがたい……」
ジョージ「スゴイな……!日本の弁当……!エレオノールも器用だな……!」
阿紫花「……(ジョージがよそ見している隙に、大きなおにぎりの中から顔を見せていたおかず人形を咥えて逃げる)」
ジョージ「あっ!コラッ!」
ジョージと阿紫花で追いかけっこ。それを見てるギイ。
ギイ「(脳内で『おさかな咥えたドラネコ♪』という有名な曲がリピート)裸で、かけてく、愉快なジョージさん♪(美声で)」
ジョージ「裸!?」
阿紫花「だったら止まって捕まえられてやるんですけどねえ」
エレ「この間、鳴海が私のために料理を作ってくれたの。食事は私は担当なんだけど、その日私が学校の行事で少し忙しくて……。いつもはやらない事をしてくれるって、なんだか意外で、……胸がいっぱいになってしまった。そういうの、ある?」
阿紫花「……こないだ、通りの向かいをジョージが歩いてるの見つけたんで、通り越しに投げキッスしたら、しばらく投げたキスが空中で迷走してるような動きをしてからキャッチしてたっけな……。機嫌良かったんでしょうねー、きっと」
エレ「(キュン) 私もやってみようかしら……」
その後。
テーブルにうつぶせのエレ「……鳴海にやったら、真っ赤になって固まって動かなくなっちゃった……」
阿紫花「はあ、照れたんじゃねえですかねえ。あの兄さんのこったし、仕方ねえよ」
エレ「ダメよー。絶対可愛いはずよ、鳴海が空中を漂うキスをキャッチする仕草。やっぱり日本人だからダメなのかしら……」
阿紫花「いやあ、ジョージよりは付き合いやすいと思いやすけどねえ……(しみじみ)」
エレ「そうかしら……」
恋人いる組の雑談。ジョージがそんな事したらカワイイと思って。
エレが投げキッスってカワイ過ぎるだろうなあ……。
〇意外な一面・その2
鳴海「しろがねの新しいサーカスの衣装、みんなで一緒に選んだけどよ、サーカスの衣装って結構……エロいよな。……リハーサルでそれ着てるの見るだけで気が重いぜ……。絶対みんな見惚れるに決まってるんだぜ。(ため息)……なあ、相方がふとした瞬間にエロい事ってあるか?ピンと来るか分かンねーけど」
ジョージ「(……性的だと思う瞬間?……)」
ジョージの脳内の阿紫花『(グラス片手に目を逸らしたまま)……体のどっかが触れてるより、……目が合ってるだけのがエロい感じすんのな。……相手がアンタだと……』
ジョージ「……(あんなのは別に性的でも何でもないはず。アブノーマルなヤツと思われたくないし……コイツに理解できる気がしない……)無いな。無い無い」
鳴海「そっかー」
〇ユーメイクミースマイル
ジョージ「何かあったのか?」
ギイ「なんで?」
ジョージ「最近阿紫花と目が合うと、笑うから。……」
ギイ「……」
回想。
ギイ『何かあったのかい?』
阿紫花『何もォ?いつもと一緒でさ』
ギイ『……ジョージを見てなんで笑ってるんだい?』
阿紫花『あ~、だってジョージさん、こっち見て笑ってんだ。その事に自分で気付いてねーんですぜ』
回想終了。
ギイ「……人に優しくされると、優しくなれるんだよ、人間は。……」
ジョージ「? 何か優しくしてやったかな……」
アナタが笑うから。
〇絶対音感
ヴィルマ「一日中ピアノ弾いてて、よく飽きないわね~、アンタ」
ジョージ「君だって一日中ナイフを投げ続けていられるだろう?同じだよ。満足できないんだ」
ヴィルマ「……。ねえ、なんか面白いコト出来ないの?クラシックばっかじゃ飽きるわ」
ジョージ「……一回聴いた曲はほとんど再現できる。州知事(ターミネーターのテーマ)」
ヴィルマ「へ~、見直したよ。アンタやっぱり才能あったんだよ。ねえ、得意な曲は?」
ジョージ「……日本の演歌」
ヴィルマ「ふーん?」
ジョージ「阿紫花がベッドで歌うから」
ヴィルマ「(イラッ)」
阿紫花「上~野発の~夜~行列車お~りた時~から~♪(音痴)」
ジョージ「(阿紫花の歌声に合った音階と曲調なのでメチャクチャ)」
ヴィルマ「……なんか、ゴメンね……(聴かなきゃ良かった……)」
阿紫花「なんでさ?あたしとジョージさんのセッションに聞き惚れてんで?よし、次はサブちゃんで」
ヴィルマ「いや、いいわ」
絶対音痴。
〇しろがねって、こういう事してそうだ。
エレ「ナンパされても、日本語が分からないフリをしてました……」
ギイ「日本のタクシーの運転手は外国人に優しいから、カタコトを装った事がある……。300円負けてくれた……。だって手持ちが不安だったんだ……」
ジョージ「……阿紫花と日本の喫茶店で待ち合わせしてて、あまりに来なくて……。三時間も待ったんだが、その時梅昆布茶を出されて……。日本だと『帰れ』という意味だったと後で知った……」
ハフウ、とため息を漏らす3人。
上機嫌で入ってきた阿紫花「あ?何話してるんで?いや~、ココ来るまでにタクシーの運ちゃんに色目使ったら120円負けてくれやがった!そんで昔なじみの女のヤサで茶漬けご馳走になって昼飯浮いたし!あ、それと昔の男の一人に見つかっちまってよ!面倒臭ェから人形でフルボッコしてきやした。あ~、スッキリした!なんかイイ日だなあ、今日は」
三人「……」
からくりのしろがねたちって、なんかあんまり外国人らしくないよね……。なんとなく。
〇ギイはイイ男過ぎるんだよ……
ギイ「ジョージ……!この世にはブサイクしか愛せない人たちがいるんだって……!!すごく肥った人とか、すごくファニーな顔立ちしか愛せない人が……!」
ジョージ「……いるんじゃないか?それは……」
ギイ「しかも阿紫花の話だと、日本だと結婚詐欺や保険金殺人とかやっちゃう男女の多くは、どちらかというとファニーが多いんだって……!田舎臭いとかブスだとか、そういうマイナス面が信用を誘うとかで……」
ジョージ「……」
ギイ「なんという『ジョージ尊ギイ卑』……!君には阿紫花がいるし、猪チョンマゲにはエレオノールがいるし……だのに僕は出会いのカケラも無い……!こんな理不尽があっていいものか……!?ジョージ!分かるか!?僕の不運が!君はモテモテだが、真に美しい僕は永遠に独り身さ……!」
ジョージ「とてもよく分かる(なんで君に恋人がいないのかが心底よく分かる……)」
ギイ「だろ!?だから僕の内面を見てくれる女性を探そうと思う!」
ジョージ「いやあ、なおさらやめておいた方がいいんじゃないかな……(自分の内面がイイというギイの自信がウザい)」
ギイ「なんで!?」
ジョージ「いや……なんでもクソもないけど……」
〇一生、守り続けようと思った
ギイ「君はなんでジョージなんか好きなんだ?あんなに性格が歪んでいる上に、オデコだぞ。どこがいいんだ?」
阿紫花「そうっすねえ……。(指折り数えながら)人形とヤらせようとしねえトコとか、人を豚とかゴミ虫とか呼ばねェトコとか、あたしをサツとか組に売ろうとしねえトコとか、いろんな穴を変に拡張したがる癖がなねえトコとか、セックスの最中に殴んないトコとか、ですかね……(照れ微笑)」
ギイ「(無言で、ぎゅ、と阿紫花の体を抱きしめる)」
ギイ「阿紫花を不幸にしたら許さないからな」
ジョージ「君のその仲人をしたがる癖を治せ。そんな事は君に言われるまでも無いんだよ」
ギイ「ならいい。許す」
ジョージ「何故君の許可がいるんだ……」
仲人さんはいつでも心配。
〇お弁当お弁当嬉しいな♪
エレ「サーカスの設営を手伝ってくれてありがとうございます。お礼といっては何ですが、お弁当を作りましたので、どうぞ食べてください」
ギイ「君が作ったのか?」
エレ「はい。先生のお口に合えばよろしいのですが……」
ギイ「(感動の表情をすぐに消して)ああ、ありがとう。食べさせてもらうよ」
エレ「日本で流行っている『キャラ弁』というのを作ってみました。結構面白かったので、作りこみすぎてしまいました」
その後。
ギイ「なんだ、君たちも貰ったのか……。(僕だけにじゃなかったんだな)まあいい。どんな中身なんだろうな。(開ける)あ、オリンピアの顔かな、これは。綺麗だな、卵焼きや海苔で顔が描いてあるよ」
阿紫花「……(弁当の中にプルチネルラのドスの効いた顔)絶対ェ根に持ってる……。どうしてもってんなら、グリモの方にしてくれりゃいいのに……」
ギイ「阿紫花はなんでヘコんでいるんだ?--ジョージは?キャラクター弁当なんだろう?君は人形使ってないけど、何が描かれて--」
ジョージ「……(包みを開けると、馬鹿でかい真っ黒い海苔を貼っただけの真ん丸いおにぎり)こんな事だろうと思ってた……」
ギイ「わ、分かりやすくていいじゃないか!すぐに君だって分かるよ!(慰めようと必死)」
阿紫花「そ、そうそう!人間見た目じゃねえよ!?」
ジョージ「……私にそれを言うか……?」
阿紫花「ヒィ、すいやせん!」
ギイ「『鋼鉄の真っ黒黒助』とか『オデコとボラの輝きはしろがね1のナイス・ガイ』とかルシールと陰で呼んでですまなかった!」
阿紫花「『鋼のフン転が師』とか『ひとり初日の出』とか心の中で呼んでてすいやせん!」
ジョージ「君ら後で手段を選ばず泣かすからな。覚えてろ。(ムシャムシャ)……な、中におかずで作った私の人形が入ってる……!(ちょっと喜びに震えている)気付かずに食べてしまったかもしれないのに……!」
ギイ「ほう、エレオノールは器用だな。手先が器用な所は両親に似てくれてありがたい……」
ジョージ「スゴイな……!日本の弁当……!エレオノールも器用だな……!」
阿紫花「……(ジョージがよそ見している隙に、大きなおにぎりの中から顔を見せていたおかず人形を咥えて逃げる)」
ジョージ「あっ!コラッ!」
ジョージと阿紫花で追いかけっこ。それを見てるギイ。
ギイ「(脳内で『おさかな咥えたドラネコ♪』という有名な曲がリピート)裸で、かけてく、愉快なジョージさん♪(美声で)」
ジョージ「裸!?」
阿紫花「だったら止まって捕まえられてやるんですけどねえ」
そもそもそもそとそ、と増殖中。(小話が)
小話
〇子どもたちを預かりました。
阿紫花「嬢ちゃんたちゃ夏休み中のガッコの補講?大人は健康診断?親戚の法事だ?だからってなんであたしたちのトコに来るんでさ」
平馬「兄貴たちしかヒマしてねえんだよ。菊姉とかも学校の用事でいねえんだ。母ちゃんが、兄貴たちといろ、って。いいじゃねえか、オレたちと一緒にいるだけでいいんだから」
阿紫花「バッカ、お前ェあたしとジョージのひと時を邪魔すんじゃねえ、って」
ジョージ「(阿紫花の頭頂部を拳でぽくぽく殴る)こら、子どもたちが悪いんじゃないだろう。今日一日だけだ。そんなに手がかかる子達でもないし。私たちでよければ、見ていよう」
勝「ありがとう、ジョージさん」
涼子「それに比べて、平馬のお兄さん心狭いわね」
阿紫花「へん、ガキにゃ優しいなんてね。ごリッパなこって」
ジョージ「お前と二人きりの方が手がかかるからな」
勝「何して過ごそうか……。宿題もやっちゃったし……」
涼子「家にいろって言われたしね~。テレビも面白いのないし」
平馬「う~ん……やっぱ、アレかな。兄貴といえばアレ」
阿紫花「ああ、アレ……。アンタでかくなっちまったからなあ。でもま、やってやれねえ事もねえか。ジョージもいるしな」
ジョージ「?」
数十分後。
夏期講習中の菊「英良なんかに子どもの世話が出来るかしら……。ジョージは見てるだけでしょうし。一応電話して確かめておきますか。……あ、平馬?私よ」
平馬「あ、菊姉?何?」
菊「英良とジョージはいた?大丈夫そう?」
平馬「うん。遊んでた!なあ、お土産にアイス買ってきて!がりがり君」
菊「お断りよ。全員分買うくらいお小遣い持って来てないわよ。お母さんに言って。もう電話切るわよ。(内心では大丈夫そうで安心してる菊)--あ、そういえば(英良とジョージは)何してたの?邪魔じゃなきゃよかったんだけど」
平馬「? (みんなで)プロレスごっこ!じゃな!」(電話を切る平馬)
菊「……。……。……!?」
菊・帰宅後。阿紫花とジョージは離れに戻ってる。
菊「なんだ……、普通にプロレスしてただけなのね……」
平馬「兄貴の卍固めはスゴイんだぜ!ジョージが『壊れる』って叫んでた」
涼子「私見てただけだけどね~」
勝「僕は痛くてギブアップしちゃった……」
菊「……。(どんだけよ……)ま、何事もなければ良かったわ。……ほら、がいがり君。特別よ」
勝・涼子「わ、ありがとう!」
平馬「ありがと。でさー、菊姉ー」
菊「ん?」
平馬「プロレスごっこ、って兄貴言ってたけどよー。プロレスごっこ、って、大人用と子供用とあんの?昨日の晩にコッソリ離れ覗いたら、兄貴とジョージが布団の上でくっついてたから、今朝何してたのか聞いたんだよな。そしたら、プロレスごっこ、って。兄貴たちのは大人用なんだってさー」
阿紫花「今日も、してもらいやすかね……。寝る前に運動しとくと、よく眠れンでさ……(ジョージの顎に指)」
ジョージ「……また泣く事になるぞ?」
阿紫花「望むところでさ。ちょっと痛いくれえが、イイんでね……」
ストレッチされて背中バキバキの阿紫花「30過ぎると、体中こりやがんのな……あ、あっ、あ、やべ、気持ちい……(背中が)」
ジョージ「ここ、固くなってるな……(筋肉が)」
阿紫花「もっと、もっと強くして……!それ好き……気持ちいい……」
ジョージ「こうか?(背中ばきばきに逆えび反り=昼間の仕返し)」
阿紫花「あ、ああっ、馬鹿野郎……ッいきなりそん……(痛い)」
ジョージ「すぐに慣れる」
阿紫花「……ん(涙目)」
離れの入り口で固まってる菊。文句を言いに来たのに入れない。
菊「……」
部屋から聞こえてくる阿紫花の声「あ~、気持ちよかった……。たまには、あたしがやってやりやしょうか?」
ジョージ「ムダだからいらない。私の(カラダ)は特別硬いのを知っているだろう?(中身が機械だし)」
阿紫花「あ~、(肩とかの筋肉)ほぐすの大変そうだもんな(苦笑)」
菊「……!?(ジョージ……受け……はないの!?)」
翌朝。
菊「ジョージ」
ジョージ「おはよう」
菊「……人間て、初めてでも挑むべきだと思うのよ……!(思いつめた顔)痛みを恐れずレッツトライ(人差し指と中指の間に親指を入れて握り拳を作って←良い子はしてはいけません)」
ジョージ「朝から何をさせる気だ」
〇俗語は分からんチン。
ギイ「出かけるのかい?」
いそいそと支度をする阿紫花「へえ。こないだ知り合ったカタギさんとね(ちょっと嬉しそう)こっち来てから知り合いもいなかったし、いつもジョージに張り付かれてたからよ。あのハゲがいねえ内に、酒でもご一緒しようってな段取りに」
ギイ「ふうん(なんか心配だな……)どんな人間?男?」
阿紫花「男でさ。なんか面白いヤツでね、こないだのハロウィン(ジョ阿紫短編参照)に知り合った医者でさ。真っ当なオシゴトだし、安心かい?(苦笑)ジョージにゃ言わねえでくんな。うるせえから」
ギイ「別にいいけど。……なあ、そいつはどんな事言って君と友達になったんだ?」
阿紫花「あ~、普通でさ。携帯教えろとか……あ、なんかあたしがキツネっぽいってよく言ってたな。確かにキツネ顔って言われっけど」
ギイ「……それ、なんて言われたのかを、英語で言ってごらん」
阿紫花「『You looks Wicked foxy.』(君は最高にイイ女!)」
ギイ「……というワケで、なんだかんだ言い聞かせて部屋に閉じ込めておいたから」
ジョージ「君の協力に最大級の感謝をする」
ギイ「……君からの最大の感謝の表明がこんな事だとはな……(うんざり)」
アホ……。
〇め、女豹!
パブで酔ったヴィルマ「ア・シ・ハ・ナ~♪ こんなに気分良く酔っ払うと、一発ヤりたくならな~い?」
同じく酔ってる阿紫花「構わねえよォ?あ、でもあたし酔って勃ち悪ィかも(ひゃひゃひゃひゃ)」
ヴィルマ「ブハッ、あんたにチ〇ポなんか要らねー!ケツ出してアンアン言ってりゃいいのよゥ!アタシのテクでケツだけでイカせてやるわよ(ひゃひゃひゃひゃ)」
ジョージ「(……下品すぎる)」
ギイ「阿紫花、マドモワゼル。楽しい会話を邪魔して悪いが、卑猥な話題は慎みたまえ。免疫が無いから、聞いているだけで恥ずかしいのだ。……ジョージが」
ジョージ「!?(私!?)」
ジョージは弄ってなんぼ。
ヴィルマ「あらァん、ホント?かなりいい持ち物だって聞いてるけど、オツムはオコチャマなのねえ」
阿紫花「デコはジジイだけど、脱いだらスゲーんだぜ?」
ジョージ「誰のデコがジジイだ」
ギイ「君以外にないだろ」
〇ホントは怖い日本の習慣
ジョージ「来年も、一緒に……」
阿紫花「……ン(無言で小指を差し出す)」
ジョージ「なんだ?」
阿紫花「指きり。日本の約束の仕方でね……(ジョージの小指に小指を絡ませる)お互い約束を守るって時に使うんでさ」
ジョージ「分かった。約束する。来年もよろしく」
阿紫花「ちなみにこの約束を破ったら、この指をブッた切られて針を千本飲まされるんでそのおつもりで(ヤクザ顔)」
ジョージ「……!?」
阿紫花「ちなみにこの風習の起源は江戸時代の遊女で、客に自分の指を切って贈りつけて客の心変わりを責めたっつうヤツで、後にヤクザのエンコ(指)切りになり……」
ジョージ「(怖ェー!日本文化怖ェー!!)←ガクブル」
阿紫花「あたしを裏切ったら、あたし……この指全部切ってアンタに食わせて三途の川に一緒に身投げしてやるから……(地獄のような目で)」
ジョージ「(怖ェー!この日本人怖ェー!!)←ガクブル」
ジョージ「愛って責任が伴うんだな……(ため息)」
ギイ「愛と責任?パパにでもなったのかい?ジョージ」
ジョージ「パパ……いや、どっちかっていうとゴットファーザー的な、な……」
ギイ「?」
〇ホントは怖い日本の習慣・その2
ジョージ「今年は無理だったが、来年は一緒にセツブンしないか、と、キクたちからメールが来たぞ。セツブン、とは何だ?」
阿紫花「へえ、そうですかい。来年ねえ、そんじゃちょいと予行練習……いやあ、ジョージさんにゃ荷が重てェ祭りでさ(首を振りつつ)」
ジョージ「そんなにか?どんな祭りなんだ」
阿紫花「へえ。でもこの時期はなんだかんだと日本じゃ行事が多いんでさ。ちょいとまとめて説明させてもらって構わねえかい?」
ジョージ「ああ!」
阿紫花「ならばようがす(いいでしょう)。まず豆を用意しやして、これを戸口に飾りやす。そしてその年の縁起のいい方角を見上げながら、ひたすらに心の中で『鬼は外』『福は内』と念じやす。喋っちゃダメですぜ」
ジョージ「……」
阿紫花「そんで歳の数だけイワシの頭を貪りやす」
ジョージ「生臭い!奇祭過ぎる!」
阿紫花「だから練習しようって言ってんですよ。ジョージさんナマの魚食いたくねえとかぬかして、菊や平馬どもを困らせんじゃねえかと、あたしはそいつが心配で……(そっと目尻を拭うフリ)」
ジョージ「……分かった。私も長年しろがね-Oだった男だ……!やってみせる」
阿紫花「ジョージさん……!」
翌年の黒賀村。
ジョージ「実に申し訳ない……。どうしてもイワシの頭を歳の数だけ食べる事が出来なくて……!!どう数えても百個以上……!(サングラスの奥涙目)」
無言の阿紫花一家。
菊「……英良は一緒じゃないの?」
悔しがるジョージ「アシハナ……エイリョウは少し遅れてくるとかで……。彼に無理だと言ったら、初心者だから今年はコレで勘弁してやると言われて……!(ジョージの手に『オットッ〇』4箱)コレならなんとか食べられるから……!ご期待に添えなくて申し訳ない……」
阿紫花母「わかったから、もう顔を上げて下さい……」
菊「あと余計な事だけど、英良に浮気されてないか調べた方がいいと思うわ……」
その頃の阿紫花。
勝「どしたの?阿紫花さん。わ、チョコくれるの?ありがとう!」
涼子「ありがとー。あたしイチゴのもーらい!」
勝「待ってよ!半分ずつにしない?」
涼子「いいよ!はい半分こ!」
勝「うん。わあ、美味しいや。ありがとう阿紫花さん」
ニヨニヨニヨニヨしながらそれを見ている阿紫花。
エレオノール「何をしているの?阿紫花」
阿紫花「癒されてんでさ……」
自分の弟や妹より、勝がカワイイ阿紫花。浮気。
ジョージ「ウプ……こんな小さな豆でも百個以上食べるのは辛い」
菊「去年ギイも同じ事言ってたわ……」
ですよねー。
〇200億(堀江蟹〇『Qping』パロ)
阿紫花「あーあ10億円ひろって警察に届けてほめられた挙句に落とし主があらわれず数ヵ月後に後腐れなく丸ごと貰いたいですねえ」
フウ「阿紫花君、ちょっと欲を隠した方がいいよ……(警察に行った時点で逮捕されるんじゃ……?)」
阿紫花「なんでさー、フウさんだって欲しいでしょ10億円!10億円欲しいのは人間の本能でさ!あたしは10億円と11億円あったら絶対10億円取りやすね!だって11億円とかセコイし」
フウ「(金銭感覚がおかしい上に計算出来ない子なんだ……)」
阿紫花「もしあたしが200億貰ったら、フウさんに1万円あげやすよ」
フウ「じゃあ199億9999万円になっちゃうよ?……」
阿紫花「えーウソ!?じゃーダメ!」
フウ「じゃあ阿紫花君、あたしに200億1万円おくれよ。そしたらあたし、阿紫花君に200億あげる」
阿紫花「えーマジで!?200億ですよ!?フウさんスッゲー!なんで200億も持ってらっしゃるんで!?」
フウ「(……阿紫花君なら今すぐ全財産サギれる気がする)
〇増村と出会う
増村「やいやいやいこの変な外人め!阿紫花とねんごろになった気でいやがるのも、大概にしやがれってんだ!」
ジョージ「(この村にはアシハナの昔の男しかいないのか……?)……腕にモノを言わせるつもりなら、相手をしよう」
阿紫花「ハッ!いけやせんジョージ!(二人の間に割って入る)ここはあたしが」
ジョージ「しかし、君……」
阿紫花「いいから任せな。--増村、ちっとこっち来な」
増村「おうおう、なんだよ、やっぱ俺のがいいってかァ?つか、なんだあの外人はァ!?テメエ、俺をコケにしやがったのか!?」
阿紫花「落ち着きなせえ。……アンタだからホントの事言いやしょう。実はあたしとジョージは……生き別れの実の兄弟なんで」
増村「え!マジ!?似てねえ……」←バカ
涙を拭うフリをする阿紫花「アンタにはホントの事言いやす。三十年ぶりに生き別れの兄と出会い、この黒賀村に戻ってきて、かりそめとはいえ親は親、阿紫花の二親にあたしの実のアニさんというお人の立派な姿を見せて礼の一つもさせてもらえりゃア、何よりの親孝行になるってな按配で。この村にいる間は、ありきたりな兄弟として静かに暮らせりゃ何より幸せってなモンだ。見逃してくれりゃあ、あたしアンタにずうっと感謝しやすから(嘘泣き)。あの人がこの村にいる間は、そっとしておいてやってくれねえかい。その後は、……好きにしてもらって構いやせん」
増村「マジで?……(筋肉脳味噌で『暴れて阿紫花を勝ち取る』『ガマンしてご褒美』の二者を秤にかける増村。ジョージに勝てるかなー、阿紫花言う事聞くかなー、という思案で秤が『ガマンしてご褒美』に傾く)……絶対ェだぞ。アイツ帰った後でしこたま掘らせろよ」←ブツクサ言いながら去る。
ジョージ「……さっきの彼は?」
阿紫花「ああ、犬と一緒でさ、バカな上に目が悪いみてえで、あたしとあんたが実の兄弟だとか納得して帰っちまいやがんの……」
ジョージ「ヒドイなー、それは(苦笑)」
阿紫花「まー、バカは騙されても仕方ねえってイイ例でさーね。……あんなバカは始末してもいいが、アンタそれもイヤって思うだろうからな(ボソボソ)……」
ジョージ「何か言ったか?」
阿紫花「いんえー。帰りの日はとっとと帰りやすからねー」
ジョージ「ああ」
カウンターの上に置いた携帯を弄る増村「今オナ禁とセク禁してんだ。阿紫花と盛り上がろうと思って!」
尾崎「あ?阿紫花なら、昨日また外国に帰ったって、加納が言ってたぜ?」
増村「……!?」
捨て犬。
〇子どもたちを預かりました。
阿紫花「嬢ちゃんたちゃ夏休み中のガッコの補講?大人は健康診断?親戚の法事だ?だからってなんであたしたちのトコに来るんでさ」
平馬「兄貴たちしかヒマしてねえんだよ。菊姉とかも学校の用事でいねえんだ。母ちゃんが、兄貴たちといろ、って。いいじゃねえか、オレたちと一緒にいるだけでいいんだから」
阿紫花「バッカ、お前ェあたしとジョージのひと時を邪魔すんじゃねえ、って」
ジョージ「(阿紫花の頭頂部を拳でぽくぽく殴る)こら、子どもたちが悪いんじゃないだろう。今日一日だけだ。そんなに手がかかる子達でもないし。私たちでよければ、見ていよう」
勝「ありがとう、ジョージさん」
涼子「それに比べて、平馬のお兄さん心狭いわね」
阿紫花「へん、ガキにゃ優しいなんてね。ごリッパなこって」
ジョージ「お前と二人きりの方が手がかかるからな」
勝「何して過ごそうか……。宿題もやっちゃったし……」
涼子「家にいろって言われたしね~。テレビも面白いのないし」
平馬「う~ん……やっぱ、アレかな。兄貴といえばアレ」
阿紫花「ああ、アレ……。アンタでかくなっちまったからなあ。でもま、やってやれねえ事もねえか。ジョージもいるしな」
ジョージ「?」
数十分後。
夏期講習中の菊「英良なんかに子どもの世話が出来るかしら……。ジョージは見てるだけでしょうし。一応電話して確かめておきますか。……あ、平馬?私よ」
平馬「あ、菊姉?何?」
菊「英良とジョージはいた?大丈夫そう?」
平馬「うん。遊んでた!なあ、お土産にアイス買ってきて!がりがり君」
菊「お断りよ。全員分買うくらいお小遣い持って来てないわよ。お母さんに言って。もう電話切るわよ。(内心では大丈夫そうで安心してる菊)--あ、そういえば(英良とジョージは)何してたの?邪魔じゃなきゃよかったんだけど」
平馬「? (みんなで)プロレスごっこ!じゃな!」(電話を切る平馬)
菊「……。……。……!?」
菊・帰宅後。阿紫花とジョージは離れに戻ってる。
菊「なんだ……、普通にプロレスしてただけなのね……」
平馬「兄貴の卍固めはスゴイんだぜ!ジョージが『壊れる』って叫んでた」
涼子「私見てただけだけどね~」
勝「僕は痛くてギブアップしちゃった……」
菊「……。(どんだけよ……)ま、何事もなければ良かったわ。……ほら、がいがり君。特別よ」
勝・涼子「わ、ありがとう!」
平馬「ありがと。でさー、菊姉ー」
菊「ん?」
平馬「プロレスごっこ、って兄貴言ってたけどよー。プロレスごっこ、って、大人用と子供用とあんの?昨日の晩にコッソリ離れ覗いたら、兄貴とジョージが布団の上でくっついてたから、今朝何してたのか聞いたんだよな。そしたら、プロレスごっこ、って。兄貴たちのは大人用なんだってさー」
阿紫花「今日も、してもらいやすかね……。寝る前に運動しとくと、よく眠れンでさ……(ジョージの顎に指)」
ジョージ「……また泣く事になるぞ?」
阿紫花「望むところでさ。ちょっと痛いくれえが、イイんでね……」
ストレッチされて背中バキバキの阿紫花「30過ぎると、体中こりやがんのな……あ、あっ、あ、やべ、気持ちい……(背中が)」
ジョージ「ここ、固くなってるな……(筋肉が)」
阿紫花「もっと、もっと強くして……!それ好き……気持ちいい……」
ジョージ「こうか?(背中ばきばきに逆えび反り=昼間の仕返し)」
阿紫花「あ、ああっ、馬鹿野郎……ッいきなりそん……(痛い)」
ジョージ「すぐに慣れる」
阿紫花「……ん(涙目)」
離れの入り口で固まってる菊。文句を言いに来たのに入れない。
菊「……」
部屋から聞こえてくる阿紫花の声「あ~、気持ちよかった……。たまには、あたしがやってやりやしょうか?」
ジョージ「ムダだからいらない。私の(カラダ)は特別硬いのを知っているだろう?(中身が機械だし)」
阿紫花「あ~、(肩とかの筋肉)ほぐすの大変そうだもんな(苦笑)」
菊「……!?(ジョージ……受け……はないの!?)」
翌朝。
菊「ジョージ」
ジョージ「おはよう」
菊「……人間て、初めてでも挑むべきだと思うのよ……!(思いつめた顔)痛みを恐れずレッツトライ(人差し指と中指の間に親指を入れて握り拳を作って←良い子はしてはいけません)」
ジョージ「朝から何をさせる気だ」
〇俗語は分からんチン。
ギイ「出かけるのかい?」
いそいそと支度をする阿紫花「へえ。こないだ知り合ったカタギさんとね(ちょっと嬉しそう)こっち来てから知り合いもいなかったし、いつもジョージに張り付かれてたからよ。あのハゲがいねえ内に、酒でもご一緒しようってな段取りに」
ギイ「ふうん(なんか心配だな……)どんな人間?男?」
阿紫花「男でさ。なんか面白いヤツでね、こないだのハロウィン(ジョ阿紫短編参照)に知り合った医者でさ。真っ当なオシゴトだし、安心かい?(苦笑)ジョージにゃ言わねえでくんな。うるせえから」
ギイ「別にいいけど。……なあ、そいつはどんな事言って君と友達になったんだ?」
阿紫花「あ~、普通でさ。携帯教えろとか……あ、なんかあたしがキツネっぽいってよく言ってたな。確かにキツネ顔って言われっけど」
ギイ「……それ、なんて言われたのかを、英語で言ってごらん」
阿紫花「『You looks Wicked foxy.』(君は最高にイイ女!)」
ギイ「……というワケで、なんだかんだ言い聞かせて部屋に閉じ込めておいたから」
ジョージ「君の協力に最大級の感謝をする」
ギイ「……君からの最大の感謝の表明がこんな事だとはな……(うんざり)」
アホ……。
〇め、女豹!
パブで酔ったヴィルマ「ア・シ・ハ・ナ~♪ こんなに気分良く酔っ払うと、一発ヤりたくならな~い?」
同じく酔ってる阿紫花「構わねえよォ?あ、でもあたし酔って勃ち悪ィかも(ひゃひゃひゃひゃ)」
ヴィルマ「ブハッ、あんたにチ〇ポなんか要らねー!ケツ出してアンアン言ってりゃいいのよゥ!アタシのテクでケツだけでイカせてやるわよ(ひゃひゃひゃひゃ)」
ジョージ「(……下品すぎる)」
ギイ「阿紫花、マドモワゼル。楽しい会話を邪魔して悪いが、卑猥な話題は慎みたまえ。免疫が無いから、聞いているだけで恥ずかしいのだ。……ジョージが」
ジョージ「!?(私!?)」
ジョージは弄ってなんぼ。
ヴィルマ「あらァん、ホント?かなりいい持ち物だって聞いてるけど、オツムはオコチャマなのねえ」
阿紫花「デコはジジイだけど、脱いだらスゲーんだぜ?」
ジョージ「誰のデコがジジイだ」
ギイ「君以外にないだろ」
〇ホントは怖い日本の習慣
ジョージ「来年も、一緒に……」
阿紫花「……ン(無言で小指を差し出す)」
ジョージ「なんだ?」
阿紫花「指きり。日本の約束の仕方でね……(ジョージの小指に小指を絡ませる)お互い約束を守るって時に使うんでさ」
ジョージ「分かった。約束する。来年もよろしく」
阿紫花「ちなみにこの約束を破ったら、この指をブッた切られて針を千本飲まされるんでそのおつもりで(ヤクザ顔)」
ジョージ「……!?」
阿紫花「ちなみにこの風習の起源は江戸時代の遊女で、客に自分の指を切って贈りつけて客の心変わりを責めたっつうヤツで、後にヤクザのエンコ(指)切りになり……」
ジョージ「(怖ェー!日本文化怖ェー!!)←ガクブル」
阿紫花「あたしを裏切ったら、あたし……この指全部切ってアンタに食わせて三途の川に一緒に身投げしてやるから……(地獄のような目で)」
ジョージ「(怖ェー!この日本人怖ェー!!)←ガクブル」
ジョージ「愛って責任が伴うんだな……(ため息)」
ギイ「愛と責任?パパにでもなったのかい?ジョージ」
ジョージ「パパ……いや、どっちかっていうとゴットファーザー的な、な……」
ギイ「?」
〇ホントは怖い日本の習慣・その2
ジョージ「今年は無理だったが、来年は一緒にセツブンしないか、と、キクたちからメールが来たぞ。セツブン、とは何だ?」
阿紫花「へえ、そうですかい。来年ねえ、そんじゃちょいと予行練習……いやあ、ジョージさんにゃ荷が重てェ祭りでさ(首を振りつつ)」
ジョージ「そんなにか?どんな祭りなんだ」
阿紫花「へえ。でもこの時期はなんだかんだと日本じゃ行事が多いんでさ。ちょいとまとめて説明させてもらって構わねえかい?」
ジョージ「ああ!」
阿紫花「ならばようがす(いいでしょう)。まず豆を用意しやして、これを戸口に飾りやす。そしてその年の縁起のいい方角を見上げながら、ひたすらに心の中で『鬼は外』『福は内』と念じやす。喋っちゃダメですぜ」
ジョージ「……」
阿紫花「そんで歳の数だけイワシの頭を貪りやす」
ジョージ「生臭い!奇祭過ぎる!」
阿紫花「だから練習しようって言ってんですよ。ジョージさんナマの魚食いたくねえとかぬかして、菊や平馬どもを困らせんじゃねえかと、あたしはそいつが心配で……(そっと目尻を拭うフリ)」
ジョージ「……分かった。私も長年しろがね-Oだった男だ……!やってみせる」
阿紫花「ジョージさん……!」
翌年の黒賀村。
ジョージ「実に申し訳ない……。どうしてもイワシの頭を歳の数だけ食べる事が出来なくて……!!どう数えても百個以上……!(サングラスの奥涙目)」
無言の阿紫花一家。
菊「……英良は一緒じゃないの?」
悔しがるジョージ「アシハナ……エイリョウは少し遅れてくるとかで……。彼に無理だと言ったら、初心者だから今年はコレで勘弁してやると言われて……!(ジョージの手に『オットッ〇』4箱)コレならなんとか食べられるから……!ご期待に添えなくて申し訳ない……」
阿紫花母「わかったから、もう顔を上げて下さい……」
菊「あと余計な事だけど、英良に浮気されてないか調べた方がいいと思うわ……」
その頃の阿紫花。
勝「どしたの?阿紫花さん。わ、チョコくれるの?ありがとう!」
涼子「ありがとー。あたしイチゴのもーらい!」
勝「待ってよ!半分ずつにしない?」
涼子「いいよ!はい半分こ!」
勝「うん。わあ、美味しいや。ありがとう阿紫花さん」
ニヨニヨニヨニヨしながらそれを見ている阿紫花。
エレオノール「何をしているの?阿紫花」
阿紫花「癒されてんでさ……」
自分の弟や妹より、勝がカワイイ阿紫花。浮気。
ジョージ「ウプ……こんな小さな豆でも百個以上食べるのは辛い」
菊「去年ギイも同じ事言ってたわ……」
ですよねー。
〇200億(堀江蟹〇『Qping』パロ)
阿紫花「あーあ10億円ひろって警察に届けてほめられた挙句に落とし主があらわれず数ヵ月後に後腐れなく丸ごと貰いたいですねえ」
フウ「阿紫花君、ちょっと欲を隠した方がいいよ……(警察に行った時点で逮捕されるんじゃ……?)」
阿紫花「なんでさー、フウさんだって欲しいでしょ10億円!10億円欲しいのは人間の本能でさ!あたしは10億円と11億円あったら絶対10億円取りやすね!だって11億円とかセコイし」
フウ「(金銭感覚がおかしい上に計算出来ない子なんだ……)」
阿紫花「もしあたしが200億貰ったら、フウさんに1万円あげやすよ」
フウ「じゃあ199億9999万円になっちゃうよ?……」
阿紫花「えーウソ!?じゃーダメ!」
フウ「じゃあ阿紫花君、あたしに200億1万円おくれよ。そしたらあたし、阿紫花君に200億あげる」
阿紫花「えーマジで!?200億ですよ!?フウさんスッゲー!なんで200億も持ってらっしゃるんで!?」
フウ「(……阿紫花君なら今すぐ全財産サギれる気がする)
〇増村と出会う
増村「やいやいやいこの変な外人め!阿紫花とねんごろになった気でいやがるのも、大概にしやがれってんだ!」
ジョージ「(この村にはアシハナの昔の男しかいないのか……?)……腕にモノを言わせるつもりなら、相手をしよう」
阿紫花「ハッ!いけやせんジョージ!(二人の間に割って入る)ここはあたしが」
ジョージ「しかし、君……」
阿紫花「いいから任せな。--増村、ちっとこっち来な」
増村「おうおう、なんだよ、やっぱ俺のがいいってかァ?つか、なんだあの外人はァ!?テメエ、俺をコケにしやがったのか!?」
阿紫花「落ち着きなせえ。……アンタだからホントの事言いやしょう。実はあたしとジョージは……生き別れの実の兄弟なんで」
増村「え!マジ!?似てねえ……」←バカ
涙を拭うフリをする阿紫花「アンタにはホントの事言いやす。三十年ぶりに生き別れの兄と出会い、この黒賀村に戻ってきて、かりそめとはいえ親は親、阿紫花の二親にあたしの実のアニさんというお人の立派な姿を見せて礼の一つもさせてもらえりゃア、何よりの親孝行になるってな按配で。この村にいる間は、ありきたりな兄弟として静かに暮らせりゃ何より幸せってなモンだ。見逃してくれりゃあ、あたしアンタにずうっと感謝しやすから(嘘泣き)。あの人がこの村にいる間は、そっとしておいてやってくれねえかい。その後は、……好きにしてもらって構いやせん」
増村「マジで?……(筋肉脳味噌で『暴れて阿紫花を勝ち取る』『ガマンしてご褒美』の二者を秤にかける増村。ジョージに勝てるかなー、阿紫花言う事聞くかなー、という思案で秤が『ガマンしてご褒美』に傾く)……絶対ェだぞ。アイツ帰った後でしこたま掘らせろよ」←ブツクサ言いながら去る。
ジョージ「……さっきの彼は?」
阿紫花「ああ、犬と一緒でさ、バカな上に目が悪いみてえで、あたしとあんたが実の兄弟だとか納得して帰っちまいやがんの……」
ジョージ「ヒドイなー、それは(苦笑)」
阿紫花「まー、バカは騙されても仕方ねえってイイ例でさーね。……あんなバカは始末してもいいが、アンタそれもイヤって思うだろうからな(ボソボソ)……」
ジョージ「何か言ったか?」
阿紫花「いんえー。帰りの日はとっとと帰りやすからねー」
ジョージ「ああ」
カウンターの上に置いた携帯を弄る増村「今オナ禁とセク禁してんだ。阿紫花と盛り上がろうと思って!」
尾崎「あ?阿紫花なら、昨日また外国に帰ったって、加納が言ってたぜ?」
増村「……!?」
捨て犬。
増えすぎ……!!
小話15
〇愛って何だろうね……
阿紫花「愛だの恋だの、ジョージさん相手だとなんか言いづれえ……」
ギイ「(また変な事言い出した……)じゃあ手紙で書いて伝えたら?ラブレターなんて素敵だね」
阿紫花「マジ?……」
書いてみた。
阿紫花「ジョージ、コレ」
ジョージ「(日本語か?えらく読みづらい字だな……。字の大きさが全然統一されてないし、隣の行にはみ出してる……。いやホントに日本語か?『あおたに変して』……変?あおた?暗号か?青田に変わったって事?)」
文章の中に『愛』という字に見える何かを見つけるジョージ。
ちょっと笑顔のジョージ「(エレオノールからの手紙かな?日本語苦手だったそうだからな)はは……『愛』ではないよなあ。(字が汚くてそうは読めない)私は違うと思うな」
阿紫花「……!」
その夜、駅前のおでんの屋台で管を巻く阿紫花と、付き添いのギイ。
コップ握り締めて飲んだくれる阿紫花「あたしとは遊びだったんですよ……!『愛』じゃない、って、違う、って……!」
ギイ「きっと何かの間違いだよ。オヤジ、もう一本つけてくれ」
阿紫花「違う、って、笑いながら言うんですぜ!?あの男(ヒト)はマジで悪い男でさ……!!」
ギイ「あ~、顔と性格が悪いのに、君はなんで付き合ってるんだ(別れればいいのに)」
阿紫花「肉体(キッパリ)」
ジョージ「(酔いつぶれた阿紫花をかついで帰ってきたギイに)大変だったな」
ギイ「いや……。何でもないさ。君に比べれば(カラダ目当てで付き合っているだけなんてなあ……)」
ジョージ「?」
その後。
流暢な筆記体で書かれたフランス語の手紙「拝啓 寒さも厳しくなって参りました今日この頃、いかがお過ごしでしょうか……」
汚い字の日本語の手紙「シヨーシさんえおたしに(以下字が汚すぎて読めない)」
二枚の手紙を見比べて笑うジョージ。
ジョージ「あ、これはアシハナからだったのか。アシハナの日本語は最悪だな。こっちの綺麗なフランス語はエレオノールからか?」
ギイ「どっちも阿紫花だよ。フランス語と英語を覚えたら日本語を忘れたんだってさ……」
ジョージ「三つ目覚えたら一つ目を忘れるニワトリか……」
〇思うほど愛されてない
阿紫花と勝と、二人の会話を聞いているジョージの3人。
阿紫花「坊やと出会ってあたし変わちまった……って、自分でも思うんですよ」
勝「僕も、阿紫花さんに出会えて良かったよ」
阿紫花「ぼ、坊や……!(ジ~ン)」
勝「平和でさえあれば、こういう人でも生きていけるんだなあ、って、すごく優しい気持ちになれるんだ(笑顔)」
阿紫花「ぼ、坊や……!」
ジョージ「(無言で阿紫花の肩に手を置く)」
その夜、阿紫花は(ジョージの腕の中で乱れながら)「人間やめたい」とまでむせび泣いたのだった……。
〇『Qping』堀江蟹〇著 のパロ。(このマンガ面白いよ!w)
阿紫花「ジョージさんて、いつも同じ服だよなあ」
ジョージ「(ムッ)本当にオシャレな人のクローゼットには、同じ服が何着もあるものなのだ!私のタンスだってそうさ(タンスを開けると同じ服がビッシリ)」
阿紫花「うわっ同じ服(ボラコート)ばっか!」
ジョージ「同じに見えて少し違う。これは特殊モリブデン鋼製ブレード。これはクロスカーボン。(並べたコートを指差しながら)電磁ステンレス。マルテンサイト」←十着以上あるが全部同じに見える
ゲッソリした阿紫花「……なんかジョージさん気持ち悪ィな……」
ジョージ「オシャレな人に対して気持ち悪いとは何だ気持ち悪いとは!」
ホリカニ先生は面白いw田中さんがカールに見える。
おまけ
ジョージ「ちなみに電磁ステンレスの魅力はなんと言っても粘りと腰の強さだ。しかしマルテンサイトの日本刀のような鋭さと輝きも秀逸……。勿論万能なクロスカーボンも捨てがたいが、モリブデン鋼の使い勝手の鈍さ『ドジっ子メガネ委員長』的属性ポイントはイチオシさ……!」
阿紫花「マジで気持ち悪い」
ギイ「ジョージは初登場からずっとそうだったじゃないか」
ジョージ「ムッ、君たち!私の事はいい!だがボラを馬鹿にしたら許さない!」
阿紫花「アンタ以外の何を馬鹿にするってんだよ!」
ギイ「ボラごと道頓堀に投げ捨てたら浮かんで来ないかな……」
きっとカーネルおじさんみたいに何十年かしたら水中から引き上げられるんだぜ……。
阿紫花「つか、いつも使ってるボラがそんなに使えねえなら、なんで使ってんでさ……」
ジョージ「ドジっ子メガネ委員長だから……」
阿紫花「……」
萌えるの?
〇ミステリー・ジャパン
たまたま、仏教とか日本の寺院を取り上げたテレビ番組を見ている阿紫花とジョージ。
テレビ「仏教の寺には、苦行と呼ばれる辛く厳しい修行を行っているところもあり、……我々には考えにくい事ですが、肉や糖分、主食すら断つ事で『ホトケ』との一体化を目指し、身を清め……」
隣の阿紫花をちらりと見るジョージ「(肉や糖分、……主食を断つ……)」
ジョージの脳裏に浮かぶ阿紫花『--あたしゃ肉だの甘い物だのは苦手でさ。--パンもあんまり好かねえ。バターも嫌いでさ』
テレビ「しかし日本の寺院では、昔から酒が好まれ、『般若湯』というまるでノンアルコールなお茶か何かのような隠語で扱われ……」
ジョージの脳内に浮かぶ阿紫花『《ワカメ酒》?--ああ、酒の一種でね、隠語でさあね。あたしやった事ねえけど、そうですねえ、いっぺんやってみてえなあ。そん時ゃジョージさん、ご一緒しやせんか』
テレビ「また、肉体を苛め抜くかのような苦行も見られます。真冬に入る、滝に打たれる、炎をくぐる、など……」
ジョージの脳裏に浮かぶ阿紫花『ドンパチやってんのが一番イイや。--熱くなっちまって、あたしらしくねえ……!(阿紫花のコートの裾に引火・その後ろで必死に火を消そうとするジョージ)』
ジョージ「(そうか……!あれは苦行……!日常に苦行を取り入れて……!?)……アシハナ」
阿紫花「へえ?」
優しい笑顔のジョージ「マフィアこそ日頃から教会に通いたがるものだよな……!」
阿紫花「あたしの家は神社ですけど!?」
〇カールが本物っぽいってのは、私も思う
ナイア「まさかジョージが生き残ってるとは……。あのドンくさい仏頂面なんか地球上に残さない方が良かったのに。デリカシーゼロなハゲ野郎なんだから(イライラ)」
カール「私もそう思う。彼の鈍さはもはや罪悪だ」
ナイア「え?何、お前もまさか……(一発ヤッたの?振られたの?てかまさかのカール×ジョージ?)」
カール「私と同じシコウを持っていると思っていました。彼を一目見て、そうだと確信していた……」
ナイア「(シコウ?思考?嗜好?……そっちの趣味!?)やっぱ見た目なのか?分かるヤツには同類が分かるモンなのか?」
カール「私はそうだと思って声をかけたのですが『冗談は頭だけにしろ』と……」
ナイア「アイツに頭の話されんのはキツいわ……」
カール「絶対にそうだと思っていたのに!分かりますか司令!私と同じ考えをお持ちですか!?」
ナイア「え?え、いや、ゴメン、あたしそういうのはちょっと……(一応女だし)」
その後のイリノイ決戦。
カール「君には失望した。君を見た時から、私を同じものを持っていると思っていたのに……。その秀でた額は、シャンプーの節約なんだろう?地球環境に気を遣って、でも世間の目を気にして全部剃る事もためらわれるんだろう?自分に素直になるんだ!地球のために!さあいざエコロジーのためにスキンヘッドに!」
ジョージ「……(嫌悪感でいっぱいの顔)初めから終わりまで私と君は少しも似ていないよ……」
カール「素直になれ!地球のためだ!」
通信画面を見ていたナイア。
ナイア「……あの馬鹿ども……全滅しろ」
シコウ=志向(心がある目的に向かうコト)。エコ志向ばんざーい。
〇夢だけど、夢じゃなかった
生き残って病室で再会するジョージと阿紫花のパラレル。法安もいる。
阿紫花「ジョージ……!」
法安「おお……!目を覚ましたぞ!」
ジョージ「……また、君たちに会えるとは思っていなかったよ……。ああ、夢みたいだ」
阿紫花「ジョージ……!」
ジョージ「夢じゃないと、確かめたいんだ(阿紫花を見つめる。ほっぺをつねる、とかキス、とか狙ってるらしい)」
阿紫花「へえ……!(片手に構えた拳銃でジョージの額を撃ち抜く)」
法安「何するんじゃー!?」
阿紫花「ハッ!?あたしったら……!?ジョージさんとのいつもの癖で……!」
法安「いつもやっとんのか!?ジョージー!?息しとらんぞ!ただでさえ大怪我だったのに!」
阿紫花「あ、コレ自動人形用の改造拳銃だった……!!ジョージさん!?ジョージさーん!?ジョージさん死んだー!?」
たまたま同室のベッドで寝てたギイ「うるさい!!よそでやれ!!」
その後。
ジョージの墓に泣き崩れる阿紫花「初恋は実らないって、マジだったんですね……!!」
法安「(あんなに普通のツラでジョージの額を撃ち抜いておきながらお前……)」
ギイ「初恋云々じゃなく、君のせいだろ……」
夢じゃなかったけど、夢だった……。
〇日本人の教育って不思議
部屋の隅で考え込む阿紫花。
ジョージ「どうした?何を考えているんだ」
阿紫花「……『ロドリーゴ(スペインの音楽家)』と、伊豆の『踊り子』って、似てやせん?……ロドリーゴさんが伊豆に来れば完璧……!(真剣な顔)」
ジョージ「(ロドリーゴ!?こんな義務教育も受けてないヤクザが知っているのなんて……日本侮れない……!)」
阿紫花「あと、『刀狩り令(1588)』と『ガリレオ・ガリレイ(1564-1642)』も似てると思うんでさ!(オヤジギャグ)」
ジョージ「(年代も近い……!いや、ガリレオや刀狩り令を阿紫花が知っているなんて……!日本の教育レベルはそれほど高いのか……!?)」
阿紫花「誰かに話したくて話したくて……!……なんでマジメな顔なんで?そんなに笑えねえダジャレでした?……」
その後。
ジョージ「どうしよう、ギイ……!私が思う以上に阿紫花は賢いのかも……!思えば私もゾナハ病のせいでギムナジウム(中学校)すら出てない……!」
ギイ「あ~、確かに(君よりは)賢いかもね。僕はしろがねになってからフェラーラ大学を出ている秀才けどな」
いや普通に阿紫花賢いだろ。
〇分かりやすいなあ……。
鳴海「あ~あ、阿紫花とジョージ、また喧嘩してるぜ(視線の先で、ジョージと阿紫花が睨みあっている)」
ギイ「いつもの事さ」
鳴海「阿紫花もジョージも癖があるからな。ずっと一緒にいるとしんどそうだ。お前よく平気だな。大変じゃないか?」
ギイ「……。(脳内で記憶をリピート:ジョージと喧嘩した後『ジョージさん怒ってやがる!?あたしの事もう嫌いって言ってやがった!?』と内心で慌てながらギイに確かめる阿紫花。ジョージはジョージで『言い過ぎた……。なぜアシハナ相手だとすぐに頭に血が上るのだろう……。私はどうして』と、自己嫌悪で沈んでいる)……慣れると分かりやすいから、面白いよ」
鳴海「ふ~ん」
〇分かりやすい
ギイ「我々欧米人には肥満型の糖尿病が多いとされているが、阿紫花たち日本人は、欧米人に比べて、遺伝性の糖尿病の割合が大きいと言われている。遺伝型の糖尿病は肥満か痩せ型かという事はさほど重要ではない。痩せていても糖尿になる日本人は多いらしいよ」
ジョージ「……」
ギイ「君は機械の方が得意なようだが、僕は医者だからな。阿紫花の年齢だと、そろそろ腹がポッコリ出てきてもおかしくないワケなんだ。贅肉がつくとかさ。中年太りというのは仕方ないものだから。でも体質もあるんだろうね、阿紫花は若く見えるくらい痩せている。だから気になってね。尿検査はしてないが、阿紫花の血の繋がった両親の事は何一つ分からないからな。遺伝性の糖尿病だとしても、本人を調べるしかない」
ジョージ「……そんな事しなくても済むようにするよ」
その後。
阿紫花「ジョージさんがなんか最近、やたらアレ飲ませてくるんですけど……イヤだって言ってンのに。でもあれたんぱく質だから、肌の色艶よくなったりするんですかね。こんなオッサンが色艶良くなっても仕方ねえけど」
ギイ「昭和の花柳界の迷信じゃないんだから、そんな効能はないさ。でも別の効能はあるかもね」
阿紫花「?」
ギイ「……という具合に非常に分かりやすいのだよ」
鳴海「え?どういう意味だ?全然分かンねえ。しろがね、分かるか?」
エレ「もう!鳴海!(真っ赤)」
ギイの話を陰で聞いていた阿紫花「ジョージ。体液って、粘膜からも吸収されるって、知ってやす?ケツに精液入っても量が少なかったら乾くだけでさ……」
ジョージ「……」
阿紫花「アンタ……それくらい知ってて、ゴム付けねえでやってたんだろ?……どこまでギイさんの話を真に受けて、人の口に出しまくってたんでさ。中に出してたら口から飲んでも下から飲んでも一緒じゃねーか」
ジョージ「念には念を入れてな……」
阿紫花「入れたのは念じゃねえだろ(怒)」
種だね……。下品でした、失礼。
〇愛って何だろうね……
阿紫花「愛だの恋だの、ジョージさん相手だとなんか言いづれえ……」
ギイ「(また変な事言い出した……)じゃあ手紙で書いて伝えたら?ラブレターなんて素敵だね」
阿紫花「マジ?……」
書いてみた。
阿紫花「ジョージ、コレ」
ジョージ「(日本語か?えらく読みづらい字だな……。字の大きさが全然統一されてないし、隣の行にはみ出してる……。いやホントに日本語か?『あおたに変して』……変?あおた?暗号か?青田に変わったって事?)」
文章の中に『愛』という字に見える何かを見つけるジョージ。
ちょっと笑顔のジョージ「(エレオノールからの手紙かな?日本語苦手だったそうだからな)はは……『愛』ではないよなあ。(字が汚くてそうは読めない)私は違うと思うな」
阿紫花「……!」
その夜、駅前のおでんの屋台で管を巻く阿紫花と、付き添いのギイ。
コップ握り締めて飲んだくれる阿紫花「あたしとは遊びだったんですよ……!『愛』じゃない、って、違う、って……!」
ギイ「きっと何かの間違いだよ。オヤジ、もう一本つけてくれ」
阿紫花「違う、って、笑いながら言うんですぜ!?あの男(ヒト)はマジで悪い男でさ……!!」
ギイ「あ~、顔と性格が悪いのに、君はなんで付き合ってるんだ(別れればいいのに)」
阿紫花「肉体(キッパリ)」
ジョージ「(酔いつぶれた阿紫花をかついで帰ってきたギイに)大変だったな」
ギイ「いや……。何でもないさ。君に比べれば(カラダ目当てで付き合っているだけなんてなあ……)」
ジョージ「?」
その後。
流暢な筆記体で書かれたフランス語の手紙「拝啓 寒さも厳しくなって参りました今日この頃、いかがお過ごしでしょうか……」
汚い字の日本語の手紙「シヨーシさんえおたしに(以下字が汚すぎて読めない)」
二枚の手紙を見比べて笑うジョージ。
ジョージ「あ、これはアシハナからだったのか。アシハナの日本語は最悪だな。こっちの綺麗なフランス語はエレオノールからか?」
ギイ「どっちも阿紫花だよ。フランス語と英語を覚えたら日本語を忘れたんだってさ……」
ジョージ「三つ目覚えたら一つ目を忘れるニワトリか……」
〇思うほど愛されてない
阿紫花と勝と、二人の会話を聞いているジョージの3人。
阿紫花「坊やと出会ってあたし変わちまった……って、自分でも思うんですよ」
勝「僕も、阿紫花さんに出会えて良かったよ」
阿紫花「ぼ、坊や……!(ジ~ン)」
勝「平和でさえあれば、こういう人でも生きていけるんだなあ、って、すごく優しい気持ちになれるんだ(笑顔)」
阿紫花「ぼ、坊や……!」
ジョージ「(無言で阿紫花の肩に手を置く)」
その夜、阿紫花は(ジョージの腕の中で乱れながら)「人間やめたい」とまでむせび泣いたのだった……。
〇『Qping』堀江蟹〇著 のパロ。(このマンガ面白いよ!w)
阿紫花「ジョージさんて、いつも同じ服だよなあ」
ジョージ「(ムッ)本当にオシャレな人のクローゼットには、同じ服が何着もあるものなのだ!私のタンスだってそうさ(タンスを開けると同じ服がビッシリ)」
阿紫花「うわっ同じ服(ボラコート)ばっか!」
ジョージ「同じに見えて少し違う。これは特殊モリブデン鋼製ブレード。これはクロスカーボン。(並べたコートを指差しながら)電磁ステンレス。マルテンサイト」←十着以上あるが全部同じに見える
ゲッソリした阿紫花「……なんかジョージさん気持ち悪ィな……」
ジョージ「オシャレな人に対して気持ち悪いとは何だ気持ち悪いとは!」
ホリカニ先生は面白いw田中さんがカールに見える。
おまけ
ジョージ「ちなみに電磁ステンレスの魅力はなんと言っても粘りと腰の強さだ。しかしマルテンサイトの日本刀のような鋭さと輝きも秀逸……。勿論万能なクロスカーボンも捨てがたいが、モリブデン鋼の使い勝手の鈍さ『ドジっ子メガネ委員長』的属性ポイントはイチオシさ……!」
阿紫花「マジで気持ち悪い」
ギイ「ジョージは初登場からずっとそうだったじゃないか」
ジョージ「ムッ、君たち!私の事はいい!だがボラを馬鹿にしたら許さない!」
阿紫花「アンタ以外の何を馬鹿にするってんだよ!」
ギイ「ボラごと道頓堀に投げ捨てたら浮かんで来ないかな……」
きっとカーネルおじさんみたいに何十年かしたら水中から引き上げられるんだぜ……。
阿紫花「つか、いつも使ってるボラがそんなに使えねえなら、なんで使ってんでさ……」
ジョージ「ドジっ子メガネ委員長だから……」
阿紫花「……」
萌えるの?
〇ミステリー・ジャパン
たまたま、仏教とか日本の寺院を取り上げたテレビ番組を見ている阿紫花とジョージ。
テレビ「仏教の寺には、苦行と呼ばれる辛く厳しい修行を行っているところもあり、……我々には考えにくい事ですが、肉や糖分、主食すら断つ事で『ホトケ』との一体化を目指し、身を清め……」
隣の阿紫花をちらりと見るジョージ「(肉や糖分、……主食を断つ……)」
ジョージの脳裏に浮かぶ阿紫花『--あたしゃ肉だの甘い物だのは苦手でさ。--パンもあんまり好かねえ。バターも嫌いでさ』
テレビ「しかし日本の寺院では、昔から酒が好まれ、『般若湯』というまるでノンアルコールなお茶か何かのような隠語で扱われ……」
ジョージの脳内に浮かぶ阿紫花『《ワカメ酒》?--ああ、酒の一種でね、隠語でさあね。あたしやった事ねえけど、そうですねえ、いっぺんやってみてえなあ。そん時ゃジョージさん、ご一緒しやせんか』
テレビ「また、肉体を苛め抜くかのような苦行も見られます。真冬に入る、滝に打たれる、炎をくぐる、など……」
ジョージの脳裏に浮かぶ阿紫花『ドンパチやってんのが一番イイや。--熱くなっちまって、あたしらしくねえ……!(阿紫花のコートの裾に引火・その後ろで必死に火を消そうとするジョージ)』
ジョージ「(そうか……!あれは苦行……!日常に苦行を取り入れて……!?)……アシハナ」
阿紫花「へえ?」
優しい笑顔のジョージ「マフィアこそ日頃から教会に通いたがるものだよな……!」
阿紫花「あたしの家は神社ですけど!?」
〇カールが本物っぽいってのは、私も思う
ナイア「まさかジョージが生き残ってるとは……。あのドンくさい仏頂面なんか地球上に残さない方が良かったのに。デリカシーゼロなハゲ野郎なんだから(イライラ)」
カール「私もそう思う。彼の鈍さはもはや罪悪だ」
ナイア「え?何、お前もまさか……(一発ヤッたの?振られたの?てかまさかのカール×ジョージ?)」
カール「私と同じシコウを持っていると思っていました。彼を一目見て、そうだと確信していた……」
ナイア「(シコウ?思考?嗜好?……そっちの趣味!?)やっぱ見た目なのか?分かるヤツには同類が分かるモンなのか?」
カール「私はそうだと思って声をかけたのですが『冗談は頭だけにしろ』と……」
ナイア「アイツに頭の話されんのはキツいわ……」
カール「絶対にそうだと思っていたのに!分かりますか司令!私と同じ考えをお持ちですか!?」
ナイア「え?え、いや、ゴメン、あたしそういうのはちょっと……(一応女だし)」
その後のイリノイ決戦。
カール「君には失望した。君を見た時から、私を同じものを持っていると思っていたのに……。その秀でた額は、シャンプーの節約なんだろう?地球環境に気を遣って、でも世間の目を気にして全部剃る事もためらわれるんだろう?自分に素直になるんだ!地球のために!さあいざエコロジーのためにスキンヘッドに!」
ジョージ「……(嫌悪感でいっぱいの顔)初めから終わりまで私と君は少しも似ていないよ……」
カール「素直になれ!地球のためだ!」
通信画面を見ていたナイア。
ナイア「……あの馬鹿ども……全滅しろ」
シコウ=志向(心がある目的に向かうコト)。エコ志向ばんざーい。
〇夢だけど、夢じゃなかった
生き残って病室で再会するジョージと阿紫花のパラレル。法安もいる。
阿紫花「ジョージ……!」
法安「おお……!目を覚ましたぞ!」
ジョージ「……また、君たちに会えるとは思っていなかったよ……。ああ、夢みたいだ」
阿紫花「ジョージ……!」
ジョージ「夢じゃないと、確かめたいんだ(阿紫花を見つめる。ほっぺをつねる、とかキス、とか狙ってるらしい)」
阿紫花「へえ……!(片手に構えた拳銃でジョージの額を撃ち抜く)」
法安「何するんじゃー!?」
阿紫花「ハッ!?あたしったら……!?ジョージさんとのいつもの癖で……!」
法安「いつもやっとんのか!?ジョージー!?息しとらんぞ!ただでさえ大怪我だったのに!」
阿紫花「あ、コレ自動人形用の改造拳銃だった……!!ジョージさん!?ジョージさーん!?ジョージさん死んだー!?」
たまたま同室のベッドで寝てたギイ「うるさい!!よそでやれ!!」
その後。
ジョージの墓に泣き崩れる阿紫花「初恋は実らないって、マジだったんですね……!!」
法安「(あんなに普通のツラでジョージの額を撃ち抜いておきながらお前……)」
ギイ「初恋云々じゃなく、君のせいだろ……」
夢じゃなかったけど、夢だった……。
〇日本人の教育って不思議
部屋の隅で考え込む阿紫花。
ジョージ「どうした?何を考えているんだ」
阿紫花「……『ロドリーゴ(スペインの音楽家)』と、伊豆の『踊り子』って、似てやせん?……ロドリーゴさんが伊豆に来れば完璧……!(真剣な顔)」
ジョージ「(ロドリーゴ!?こんな義務教育も受けてないヤクザが知っているのなんて……日本侮れない……!)」
阿紫花「あと、『刀狩り令(1588)』と『ガリレオ・ガリレイ(1564-1642)』も似てると思うんでさ!(オヤジギャグ)」
ジョージ「(年代も近い……!いや、ガリレオや刀狩り令を阿紫花が知っているなんて……!日本の教育レベルはそれほど高いのか……!?)」
阿紫花「誰かに話したくて話したくて……!……なんでマジメな顔なんで?そんなに笑えねえダジャレでした?……」
その後。
ジョージ「どうしよう、ギイ……!私が思う以上に阿紫花は賢いのかも……!思えば私もゾナハ病のせいでギムナジウム(中学校)すら出てない……!」
ギイ「あ~、確かに(君よりは)賢いかもね。僕はしろがねになってからフェラーラ大学を出ている秀才けどな」
いや普通に阿紫花賢いだろ。
〇分かりやすいなあ……。
鳴海「あ~あ、阿紫花とジョージ、また喧嘩してるぜ(視線の先で、ジョージと阿紫花が睨みあっている)」
ギイ「いつもの事さ」
鳴海「阿紫花もジョージも癖があるからな。ずっと一緒にいるとしんどそうだ。お前よく平気だな。大変じゃないか?」
ギイ「……。(脳内で記憶をリピート:ジョージと喧嘩した後『ジョージさん怒ってやがる!?あたしの事もう嫌いって言ってやがった!?』と内心で慌てながらギイに確かめる阿紫花。ジョージはジョージで『言い過ぎた……。なぜアシハナ相手だとすぐに頭に血が上るのだろう……。私はどうして』と、自己嫌悪で沈んでいる)……慣れると分かりやすいから、面白いよ」
鳴海「ふ~ん」
〇分かりやすい
ギイ「我々欧米人には肥満型の糖尿病が多いとされているが、阿紫花たち日本人は、欧米人に比べて、遺伝性の糖尿病の割合が大きいと言われている。遺伝型の糖尿病は肥満か痩せ型かという事はさほど重要ではない。痩せていても糖尿になる日本人は多いらしいよ」
ジョージ「……」
ギイ「君は機械の方が得意なようだが、僕は医者だからな。阿紫花の年齢だと、そろそろ腹がポッコリ出てきてもおかしくないワケなんだ。贅肉がつくとかさ。中年太りというのは仕方ないものだから。でも体質もあるんだろうね、阿紫花は若く見えるくらい痩せている。だから気になってね。尿検査はしてないが、阿紫花の血の繋がった両親の事は何一つ分からないからな。遺伝性の糖尿病だとしても、本人を調べるしかない」
ジョージ「……そんな事しなくても済むようにするよ」
その後。
阿紫花「ジョージさんがなんか最近、やたらアレ飲ませてくるんですけど……イヤだって言ってンのに。でもあれたんぱく質だから、肌の色艶よくなったりするんですかね。こんなオッサンが色艶良くなっても仕方ねえけど」
ギイ「昭和の花柳界の迷信じゃないんだから、そんな効能はないさ。でも別の効能はあるかもね」
阿紫花「?」
ギイ「……という具合に非常に分かりやすいのだよ」
鳴海「え?どういう意味だ?全然分かンねえ。しろがね、分かるか?」
エレ「もう!鳴海!(真っ赤)」
ギイの話を陰で聞いていた阿紫花「ジョージ。体液って、粘膜からも吸収されるって、知ってやす?ケツに精液入っても量が少なかったら乾くだけでさ……」
ジョージ「……」
阿紫花「アンタ……それくらい知ってて、ゴム付けねえでやってたんだろ?……どこまでギイさんの話を真に受けて、人の口に出しまくってたんでさ。中に出してたら口から飲んでも下から飲んでも一緒じゃねーか」
ジョージ「念には念を入れてな……」
阿紫花「入れたのは念じゃねえだろ(怒)」
種だね……。下品でした、失礼。
必読:ブログの説明
※「か〇くりサー〇ス」女性向け非公式ファンサイトです。CPは「ジョ阿紫」中心。また、予定では期間限定です。期間は2010年内くらいを予定してます。
※管理人多忙につき、更新は遅いです。倉庫くらいに思ってください
必読:閲覧にあたって
※女性向け作品を載せております。興味のない方や男性の方、また同性愛やBLに嫌悪感を抱く方の閲覧もお控え下さい。また、年齢制限表記も厳に従い下さい。
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プロフィール
名前:デラ
性別:女性(未婚)
年齢:四捨五入して三十路
備考:体力と免疫力が無い
性別:女性(未婚)
年齢:四捨五入して三十路
備考:体力と免疫力が無い
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